旅する作家の道具箱 第3回 発想を広げてくれる落書き帳 Scapple

小説に限らず、何かを作る前には悶々と構想を練り、詳細を練り、と想像力を膨らませたりしなければならない場面が必ずある。そういう時に以前の私はノートを広げ、落書きするように思いついたことをノートに書き込んでいくことで発想を広げていった。大事なことは形式にこだわらず、ただ自由に書けること。
それを非常に自由にやらせてくれるのが
Scapple だと思う。

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1.Scapple とはなにか?

Scapple というのは本当に落書き帳だと思う。もう少し専門的な(?)用語だとマインドマップを書くためのツールに近いが、それも違う。やはり落書き帳だ。
雰囲気だけ見てもらうために、サンプルを作った。

wpid-ScappleExample-2013-10-26-19-30.png

こんな風に書いた文字を線でつないだりできる。が、右下の文字のように線でつながなくてもいい。とにかくルールはない。色を付けたり、文字の周りを四角で括ったりもできるが、それも必須じゃない。

いわゆるマインドマップツールも使ったことがあるが、自分向きじゃないと思った最大の理由は1つの枠の中に長文をかけないこと。上の例でも分かるように、数行にわたるメモがあると思うが、これをできることが Scapple の魅力だと思う。場合によってはこの1つのメモが数十行になることもある。

使うと分かるもう1つの強い魅力は書き込める範囲が非常に広いこと。ノートで言えば、A1~2くらいの書き込みスペースがあるのではないか?

2.どう使うか?

さて、実はどう使うかは先ほどのサンプルの通りだ。

wpid-1__@__ScappleExample-2013-10-26-19-301.png

プロットやあらすじを作る手前(または作っている途中)のステージで、まだストーリーがボンヤリしている場面で使うことが多い。

手順は自由だが、自分の平均的な始め方としては、まずボンヤリしているストーリーをだらだら書いてみる。で、そのストーリーで気付いた欠点や不足を回りに書いていく。たとえば上記例だと、まだ桃太郎の敵や一緒に戦う仲間がイメージできていないので、周りに敵や仲間について適当に書き足していく。で、脈絡もなく思いついたことを書いていくと、なんとなくストーリーが見えてくる。すっきりとまとまれば、Evernoteに移って、丁寧にプロットを作るし、まだ練りたいならこの場であらすじを書き、また練ればいい。

なにしろこの場で長文が書けるので、短編であればこの場であらすじ~プロットまで完成してしまうケースもある。それならそれで良い。

また、とにかく書ける面積が広いので、1つの小説につき1つの Scapple ファイルしか作らない。「人物構成用」「舞台設定用」などファイルを分けることも可能かもしれないが、今のところ1つの中に詰め込む方が、全体が見渡せて、想像力を膨らませるのには有効だと思う。

余談だが、こういう想像力を膨らませるツールとして、昔は手書きのノート、その後は Evernote、今はこの Scapple を使っている。Evernote を使っていた時は箇条書きを駆使して書き込んでいたが、想像力・発想など曖昧なものを広げていく時は Scapple の方が圧倒的に良いと思う。ただし執筆に入る前やアイディアがまとまった時は、箇条書きに直しておくとあとで読みやすかったりもする。

というわけで「Scapple で広げ」「Evernote で整理」する、というのが1つの手法として有効だと思っている。また、整理については今後の連載で触れる予定の Scrivener も有効だ。

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