毎日新聞で万年筆の記事があった

時代と共に消えゆくものというのは必ずある。流れは流れとして受け入れなくてはいけないのだけど、やはり寂しいとも思う。

そう思うものの1つが万年筆だ。

最近毎日新聞で万年筆の記事があった。便乗する形で書いてみたい。

みんなの○○:万年筆/1 字の太さに抑揚、人気復活の兆し - 毎日新聞
みんなの○○:万年筆/2 試し書きし手になじむ物を購入 - 毎日新聞
みんなの○○:万年筆/3止 インクや紙の色も好みに合わせて - 毎日新聞

万年筆と言えば何を思い浮かべるだろう? 昔の人が使っていた、今となっては書きにくい、インクが飛び散る筆記具。そんなところだろうか? 稀に普通の文房具屋で数百円の万年筆が置かれていることもある。それらが悪いわけではないのだろうが、書いてみるとやっぱり掠れやすかったりして「ボールペンの方がいいや」となる。

事実、自分の周りにも「万年筆って掠れるし、かりかりして書きにくい」という評価をする人がいる。それも1人2人じゃない。

しかしね、万年筆ってのは本当に魅力的な筆記具なんだ。

まず書きづらいなんてのはもってのほか。まず持ち方を間違えているのがほとんど。ボールペンは立てて書くが、万年筆は寝かせて書く。これを知っているだけで、書き味が格段に変わる。

どれくらい寝かせるかと言えば、それはペン先次第。選ぶ万年筆によって書きやすい角度が異なる。取っつきにくいと思うなかれ! 万年筆のいいところは長年使っていることで、持ち主の持ち方に馴染んでくるところ。ペン先が少しずつ摩耗し、持ち主が持ちやすい角度=1番滑らかに書ける角度となる。

本当に良い万年筆(高級という意味ではなく、持ち主と相性が良い万年筆)は、まったく力を入れずにかける。ボールペンは必ず紙に対してペンを押しつける必要があるのに対し、万年筆はその必要がない。試してみれば分かるが、万年筆自体の重みで書ける。紙が凹むことなどない。

このことが長時間文字を書く人にとっては助けになる。

問題は「長時間文字を書く人」が減っていることだ。

小説だって今やデータ化の時代。パソコンで原稿を書くのが主流。聞いた話では分野によっては論文が手書きなんてこともあるようで、そういう分野では万年筆をありがたがるのだとか。

そんな時代だからこそ、手書きにこだわってみてはどうだろう? 毎日新聞の記事にあるとおり、万年筆の楽しみはその書き味だけじゃない。紙に残る筆跡しかり、インクしかり、万年筆自体のデザイン性しかり……。奥深いものだ。

日記くらい、パソコンを使わずに手書きで書いてみるのも乙なものだと思う。寝る前に机に向かって、お気に入りの万年筆、お気に入りのインクで、ちょろちょろと雑文を書く。気分は大文豪か、評論家。傍らに酒の一杯でも置けば、気も乗るはず。

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