GTDはボトムアップ的な手法? ネットではあまり触れられない本当のGTD

GTDはボトムアップのタスク管理術、といわれることが多いように思いますが、はたしてそうでしょうか? GTDが優れている本当の理由はトップダウンとボトムアップの融合にあります。両方を自然とやれるから、GTDはいいのです。

もっと端的に言うならば、ボトムアップでやっているつもりが、トップダウン的な考え方もできている、という点が優れているのです。

GTDってなんだ?

GTDの詳細について知っている人は飛ばしてください。とにかく収集・処理・整理・実行・レビューの5ステップあることだけを覚えておいてください。

収集
頭の中にある「気になっていること」を書き出す。とにかく何でも書き出す。「爪を切りたい」「ガラパゴス諸島に行きたい」「小説を読む」「聞き上手になりたい」「最近会っていない中島さんに会いたい」など、本当に何でも。
処理
GTDで有名なフローチャートに従って、収集した「気になること」を分類していきます。するとすべて「いつかやる」「次にとるべきアクション」「プロジェクト」などに分類されます。
整理
実際は先ほどの処理とこの整理は同時に行うケースが多いでしょう。処理で分類したリストを適切な場所に保存します。紙でやるのも良し、ポストイットでやるも良し、ウェブサービスやスマホのアプリを使うもよし。わたしはDoit.imというサービスを利用しています(参考▶ちゃんとGTDを! 5年は使ったRemember the MilkからDoit.imに乗り換えた経緯 | GTDをやる人にお勧め これ見てすぐに始めよう Doit.imのよいところ10個)。またプロジェクトに追加した項目は、必ず「次にとるべきアクション」も同時に生まれることを頭に入れてください。
実行
正しく処理と整理がされていれば、日々の仕事は「次にとるべきアクション」と「カレンダー」に集約されているはずです。他のリストはここでは見る必要なし。ただひたすら実行あるのみ。
レビュー
レビューにはいくつか目的がありますが、大事なポイントは「すべてのプロジェクトに最低1つのアクションがあるか?」「次にとるべきアクションは、本当に今でもやるべきことか?」「頭の中に気になることはないか?」です。

ボトムアップじゃないの?

上のGTDの説明を読むと、いかにもボトムアップ的手法ですよね? 気になる細かいタスクを書き出して、整理して、実行する。トップダウン手法でありがちな「人生の目標を決める」みたい手順がありませんし……。

しかし、本当に正しくGTDの手順を実行していれば、トップダウン的アプローチもやっていると言えるのです。ただこれにはネットのGTD記事ではあまり触れられていない、考え方がでてきます(書籍では出てきます)。

具体的に例を挙げます。収集で次のような「気になること」を書き出したとします。

  • 爪を切りたい
  • ガラパゴス諸島に行きたい
  • 会社経営をしてみたい
  • 小説を読む
  • 聞き上手になりたい
  • 最近会っていない中島さんに会いたい
  • 営業成績トップになりたい
  • よいパパになりたい

ざっと処理・整理するとこうなるかと思います(個人差はあるでしょうけど)。

  • 次にとるべきアクション
    • 爪を切りたい
    • 小説を読む
    • 最近会っていない中島さんに会いたい
  • いつかやる
    • ガラパゴス諸島に行きたい
    • 会社経営をしてみたい
  • プロジェクト
    • 聞き上手になりたい
    • 営業成績トップになりたい
    • よいパパになりたい

さて、これ、実はわたしとしては間違っていると思うのです。というか、不足がある……。プロジェクトとは「複数のアクションを要する、終わりのあるアクション」であるべきだと思うのです。

「営業成績トップになりたい」は複数のアクションを要するでしょうし、トップになるというゴールも明確です。紛れもなくプロジェクトでしょう。ところが、「よいパパになる」って終わりありますか? 「聞き上手になる」って終わりありますか? ある程度でいい、と割り切って、ゴールを決めるのもひとつですが、「よいパパである」というのは生涯かけて達成する、自分の人生における役割、と認識したほうがしっくりきます。

そう。

実はネットでGTDを説明する際に頻出する、例のフローチャートにこの「役割」というキーワードが抜けているのが問題なのです。でも、書籍では明確に触れられています。

書籍の文章(というかリスト)を引用してみましょう。

50,000+ feet: Life
40,000 feet: Three to five year vision
30,000 feet: One to two year goals
20,000 feet: Areas of responsibility
10,000 feet: Current Project
Runway: Current Actions

フローチャートで現れるのは「Current Actions」と「Current Project」だけ。高度でいえば地面と10,000フィート。実はもっと高いところから見た、大きな目標や人生における役割といえるものは、プロジェクトとは別に分類されるべきだと書かれています。

「よき父でありたい」「よき夫でありたい」「よき経営者でありたい」などは、少なくともAreas of Responsibilityよりも上の次元のテーマでしょう。

このように、洗い出す手順はボトムアップでやりますが、レビューはトップダウンで行うのです。

例えばあなたは自分の役割を「よき父でありたい」とした場合、具体的なプロジェクトとして、「子どもと同じ趣味を楽しむ」とか「子どもと日常的に遊ぶ」とか「子どもの勉強を一緒にやる」とか、何でもいいですが、具体的なプロジェクトを作ります。で、プロジェクトには当然「次にとるべきアクション」があるはずなので、「子どもを誘って釣りに行く」のような具体的なアクションも生まれてくるはずなのです。

この流れ、実にトップダウン的アプローチです。

トップダウンとボトムアップの融合

ここまで見てもらえば、GTDの手順というのは

  • ボトムアップで漏れなく全部洗い出し、
  • トップダウンでレビューすることで、大きな目標の達成に近付こうとする

というふたつのアプローチの融合なのです。

わたしの場合、「複数のアクションを伴うもの」を以下のどれかに分類しています。括弧内は保存先のツール。

  • プロジェクト(Doit.imのプロジェクト) - 通常、数ヶ月以内に終わる、終わりの明確なもの。
  • ゴール(Doit.imのゴール) - 1〜2年程度で達成したいもの。「今年の抱負」をここに入れて、ブレイクダウンしていくイメージ。
  • 役割(Evernoteの役割ノート) - 自分を客観的に見て、持っている責任や役割をここで挙げてある。「よきパパ」とか「よき夫」はここに分類される。

そうするとレビューの頻度は自ずと見えてきますね。

プロジェクトは1週間に1度。ゴールは1ヶ月に1度。役割は四半期に1度。とわたしはしています。それ以外にも余裕があるときは、ふと役割を見直して、改めてプロジェクトを作ったりもします。

いかがですか?

GTDがボトムアップだから、人生における大きな目標を漏らしてしまったり、なんか日々を忙しくするだけの手法だと思っていたら、ぜひトップダウン的なアプローチも含むことも思い出してもらい、長い目でタスクを管理していただけたら、と思います。

GTDについて、あるいはわたしが使っているツールについてはこちらもどうぞ。
ちゃんとGTDを! 5年は使ったRemember the MilkからDoit.imに乗り換えた経緯
GTDをやる人にお勧め これ見てすぐに始めよう Doit.imのよいところ10個

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