ハーフはキャズムを超えない——50人にひとりがハーフというのが、日本の常識になる?

わたしはが生まれた1982年から、ハーフの人がどれくらい増えているか見てみると、思ったよりも増えてないという事実が分かりました。もしかして今のハーフの割合が、現代日本の構成比としてしばらく続くのかもしれません。

個人的な直感

小学校では同学年約80人のうち、ハーフはわたしひとりでした。6学年全体を通してわたしひとりだったので、480人のうちでひとりとも言えます。

中学に上がると7クラスで生徒数は250人くらいになり、ハーフはふたりに。3学年全体で考えると750人のうちふたり。

割合にしてみると小学校の頃は0.2%。中学では0.26%。ざっと500人に1人くらいの割合だったというわけです。この当時を振り返ると「ハーフに会ったことがない」という人も多かったのを覚えています。

最近は「ハーフに会ったことがない」と言う人は少ないでしょう。そういうことからも、ハーフ人口は増えているのは確かでしょう。

増えている印象

その後、2008年に東京新聞がこんな記事を書きました。

30人に1人 親が外国人 06年 日本生まれの子 厚労省調査 過去最高に

少なくともひとりの親が外国人である」という統計記事です。割合に直すと3.3%の子どもが「親が外国人」になるようです。さらに分解してみると、

  • 片親が外国人:2.3%
  • 両親が外国人:0.8%

わたしのようなハーフは約50人にひとり。私が生まれた当時は500人にひとりだったと思うと、その数10倍!

「いやはや、ずいぶん増えてるなぁ。これからもどんどん増えるのかな?」

というのがわたしの印象でした。

ところが……

1982年に推定0.2%程度だった混血児の割合が、一直線に増えて、2%を超えた、と思っていました。右肩上がりの上昇率を勝手に想像していたのです。

しかし調べてみると、ぜんぜんそんなことがないことに気が付きました。

政府発表の人口動態統計を見てみましょう。ダウンロードしたCSVから混血児の構成比をグラフにしてみました。縦軸が割合、横軸が年です。データが1987年以降しかないため、わたしが生まれた1982年の数字が分からないものの、ひとつ明確なことが分かります。

1995年以降、あんまり増えていないんです。東京新聞が記事を書いた2008年を最後に、むしろ減少傾向。2008年までの推移にしても、緩やかに上昇していますが、あくまで微増。グッと増えたのは80年代〜90年代だけ。

ハーフの数はキャズムを超えない

まぁ、ここからは半分冗談です。

わたしも専門ではないので、語りすぎればボロが出ますが、マーケティング用語でキャズムというものがあります。極めて簡単に書くと……

キャズム理論
全顧客のうち、新しもの好きであるイノベーターやアーリーアダプターと呼ばれる人の割合は全体の16%程度。世の中に爆発的に広まるためには、その次のアーリーマジョリティと呼ばれる人に普及しなければならないが、そのアーリーアダプターとアーリーマジョリティの間には大きな溝がある。この溝をキャズムと呼ぶ。

というわけです。簡単に言えば、16%の新しもの好きな顧客に受け入れられて、初めて世の中に広がるんですね。先日、あるIT企業の経営者の人と話していて、次のようなことを言っていました。

新しいサービスを始めたら、できるだけ短い期間で、このキャズムを超えないといけないんです。超えられずズルズルしているサービスは、その後もなかなか芽が出ない。だから、スタートダッシュで、最初の短い期間でキャズムを超えないサービスは、やめてしまうことが多いです。

なんかこれを考えると、ハーフの割合って、まさに「ズルズルしている」状態なんですね。だからこれから先も1.5〜2%くらいを推移していって、「日本って2%がハーフだよね」っていうのが、日本の平均的な光景になりそうな気がしました。

ひとつ補足すると「ハーフの割合を増やすべき」だとか「増えたら嬉しい」とか、べつに思っていないです。感情論だけで言えば(今の日本の考え方が変わらないなら)減ってほしいくらい。ただ現状は知っておきたいし、その2%の人が、住みにくい日本にならないでほしいと思うだけ。

愛した人が外国人なら、壁を乗り越えて結婚すればいい。もし「ハーフの子がほしい」というのが動機なら「やめときな」と言っておく。っていうか、そんな動機じゃすぐ離婚だよ。

でも血はどんどん混ざってく

さて最後になりますが、ここでの統計はあくまで「親が外国籍の子どもの割合」です。血の混じり具合とは直結しないということに注意してください。具体例を挙げます。

ハーフという国籍はないので、ハーフというのは日本国籍としてカウントされます。つまり、ハーフの子は日本人になるというわけ。血は混じるけど、先述のグラフには現れないのです。

だから出生率だけでみると2%で推移するハーフですが、血を計ることができるなら、どんどん血は混ざっていく。思ったよりも「純粋な日本人」というのは少なくなっていくということです。

何を意味するんでしょうか?

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