コンテンツとキュレーターの関係は農業に例えて見ると、将来が見えてくる

もやはコンテンツは王ではなく、キューレーションが王である。という言葉がネットじゃ言われていますが(ずいぶん前から言われてますね)、状況としては同意しつつも、どうしても不安になってしまう理由を農業に例えて考えてみたいと思います。

コンテンツメーカーからキュレーターへ

かつてはコンテンツが重要でした。コンテンツを生み出す人が重宝され、注目されていました。ところがネットが広がって行くにつれて、コンテンツを作る側の人がドンドン増え、いまや溢れんばかりのコンテンツがネットに転がっています。

そこで現れたのがキュレーターです。

良いコンテンツを見つけ、精査し、整理し、再発信する。人はコンテンツメーカーを追うのではなく、キュレーターを追うようになりました。「彼が紹介する記事は間違いない」というわけですね。

この流れはよーく分かります。なにしろすべての情報ソースを追うほどの時間はないですし、それよりは一流の人が精査してくれたコンテンツだけを見た方がコスパがいい。あるいはちょっと優秀な(アンテナの高い)友人が紹介してくれた記事を読む方がラク。

でも激しい違和感があるのです。

農家からマーケッターへ

同じ違和感をわたしは農業に対して感じています。

昔は農家というのは凄く大切な存在でした。ところがいまや、農家よりもそれはマーケティングし、ブランディングし、販売することの方が大切な存在とされています。

ウソだと思うなら「千疋屋」みたいなお店を想像してみてください。

千疋屋にはすばらしい果物が並んでいます。美しく、きっと美味しいのでしょう(食べたことありませんので想像です)。でも、その果物を作った人が誰か知っていますか? 興味ありますか?

「千疋屋が選んできた商品なんだから間違いない」と思って買っている人が多いのでは?

そう。農家がコンテンツメーカーで、販売店やブランディングをする会社がキュレーターとすれば、まったく同じ流れを辿ってきたと言えるのです。

何を暗示するか?

さて、コンテンツ業界と農業が同じ道を辿っているとして、それが何を暗示するのでしょうか?

一次生産者の軽視」をわたしは1番恐れています。

「軽視」にはふたつの意味があります。ひとつは対価が下がっていくというもの。コンテンツメーカーよりも、キュレーターが儲かる時代を想像するとなんだか恐ろしいのです。

もうひとつの「軽視」は人口の減少です。農業に憧れる人、第一次生産者に憧れる人が減ったのと同じように、コンテンツメーカーに憧れる人が減って、みんながキュレーターになりたがる。そんな未来がわたしは怖い。

誤解しないでほしいのはキュレーターの存在を否定しようとしているわけではありません。なにしろ便利で、わたしもお世話になっています。ただコンテンツの第一次生産者を守ることを考えないといけないと思うのです。

ありがたいキュレーターと不愉快なキュレーター

キュレーターと名が付く活動でも、不愉快なものと、ありがたいものがあります。ありがたいキュレーターというのは例えば「佐々木俊尚」さんがTwitterでやっているような「こんなおもしろいもん見つけたよ」という紹介活動。

Facebookでいろんなサイトをシェアしてくれる人とか、Twitterでシェアしてくれる人というのは本当にありがたい存在です。そしてPVという名の報酬はちゃんとコンテンツメーカーに流れる。

一方で不愉快なのは引用という名の下に人のページを大部分コピペして作ったページ。Yahoo知恵袋のやりとりを全部コピペして「おもしろいでしょ」って書いて終わりの記事みたいな。そういうのは非常に不愉快なのです。だって、(たとえリンクが張ってあったとしても)ネタ元の記事へアクセスする人は少ないでしょう? なにしろ全文コピペしちゃっているわけですから。

わたしはこれを「キュレーター」と呼ばないと思うのですが、本人はそんなつもりでやって気がしてならない。だから怖い。「紹介してやってる」くらいの気持ちがありそうで。つい最近も村上春樹さんのサイトを全文コピーして紹介している記事を見かけました。紹介するならちゃんと読者を誘導しましょうよ。

どうすればいいのか?

今や販売店や流通・マーケッターがいなければ青果物の売買はなり立ちません。それと同じようにキュレーターがいなければ(あるいはなんらかのキュレーションの仕組みがなければ)コンテンツはユーザーに届かない時代になりました。

でも同時に言えることは「コンテンツがなければキュレーターもなり立たない」という事実です。泥臭い畑仕事を抜きにして、美しき千疋屋がなり立たないのと同じで、クールでかっこいいキュレーターも、泥臭く机にかじりついてガリガリとコンテンツを書いた人がいなければなり立たないのです。

単刀直入に言えば「キュレーターはコンテンツメーカーを尊重しよう」とまぁ、そういうことなのです。キュレーターを自負する人、キュレーションの仕組みを作る人はコンテンツメーカーに正当な利益を還元しましょう。儲かるところには人が集まるんです。簡単に言えば読者をネタ元サイトに誘導しましょうよ。

今やWebライターはタダ同然みたいな流れがあります(あるんです!)。そうじゃないでしょ? とわたしは言いたいのです。

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