「モチベーションが上がらない」という相談への答えがどうしても二枚舌になってしまうこと

モチベーションについて相談や雑談をする機会がなぜか多いです。そのたびに本気で考え、その時なりに最高の答えを考えるのだけど、振り返って考えてみると思いっきり二枚舌をしてしまっていることに気が付きました。自分の二枚自体を正当化しつつ、モチベーションについて考えてみます。

自分の「モチベーションがあがらない」

『自分の』モチベーションの低さについて悩んでいる人に対して、わたしはこう答えます。

趣旨:会社や上司がモチベーションを作ってくれるわけじゃないから、自分で自分のモチベーションを上げる努力をしないとね。

だいたい自分のモチベーションの低さについて悩んでいる人は、上司や会社や環境といった自分の外側にあるなにかに不満があり、「相手が分かってくれない」とか「上司が認めてくれない」とか他人のなにかが自分のモチベーションを下げていると言います。

そんなとき、たとえ上司に問題があったとしても、会社に問題があったとしても、それらを変えるのは容易ではありません(ムリではないですが、それができるくらいならモチベーションが下がってないと言えます)。

だからわたしは「自分のモチベーションは自分で上げないとね」と答えるわけです。

具体的な答えは相手や悩みの内容によっても違いますが、良く言うのが「現状の不満や仕事に対して、どんな小さなことでもいいから自分ができることを挙げて、やっていこう」というアドバイスです。

現状に不満があるなら、改善していく具体的な行動を書き出して、ひとつずつ潰していく。それをやっているうちに状況が良くなるか、(精神的な)モチベーションが上がってくるのです。

部下の「モチベーションが上がらない」

一方、自分ではなく部下のモチベーションが上がらないと相談を受けた場合、真逆に答えます。

趣旨:部下のモチベーションを上げるのも上司の仕事だからね。モチベーションの低下は上司の責任。グチるんじゃなくて改善に向けて動かないと。それも仕事のうち。

さっきと同じ論調なら、当然部下のモチベーション低下は部下の責任でなくてはいけないのだけど、そうは答えません。部下のモチベーションは上司の責任だ、とわたしは答えます。

理由もさっきとまったくの裏返し。“部下” だって上司にとっては “環境” であって、うまくいかないことを環境のせいにしても始まらない。つまり部下のモチベーションが下がっているなら、上げていく努力をしなくちゃいけない。

部下のモチベーションを上げる方法論は簡単ではないのですが、ひとつの方法としては、部下の内的な欲求(「やりたい!」という気持ち)に合う小さめの仕事を与え、自分で「やりかた」を考えさせ、行動させ、成功させる。このルーチンを何度も何度も繰り返す。それがいいと思うのです。

Harvard Business Reviewに、このように書かれています。

心理学ではモチベーションは、「欲求(needs)」、「動因(drive)」、「行動(behavior)」のそれぞれを含む概念であり、個人のある欲求が具体的な行動に至るまでの持続的なプロセスとして捉えるのである。
出典:Harvard Business Review

最初の「欲求」だけをモチベーションと捉えず、その後の動因・行動まで包括して考える。それが大切なのだと言います。

上司は部下の「やる気」の手がかりを見つけ、そこに結びつく仕事を与えることです。そしてその後の行動などは自分で考えさせる。それもできれば小さな仕事から、始めてちゃんと成功させてやることです。

ああ、ちなみに「報酬制度」でやる気を上げるのは、気をつけた方がいいです。アンダーマイニング効果といって、外的な報酬だけが目的になってしまいます。そうなるとじり貧です。

制度を改善するなら「評価制度」でしょう。先ほど上げた、部下のやる気に紐付く仕事を与え、それをちゃんと評価してやる制度を考えることが大切です。これは評価制度でモチベーションを上げるのではなくて、小さな成功体験で上がりかけたモチベーションを後押ししてあげるのが目的です。

どうしても二枚舌になってしまう

実は他の悩みの相談を受けてもそうなのですが、改善策を考えろと言われると、どうしても二枚舌になってしまうのです(ただ愚痴を聞いて欲しいのなら、黙って聞きますがね)。というのも、現状に不満があるなら「自分が」変える以外に絶対に解決策はなくて、それを外に求めると愚痴しか出ないから。

ひとつ言えることはモチベーションについての悩みは「それが自分のであれ、部下のであれ、改善できるのはあんたしかいない」ということ。

んなこと愚痴っても解決しないし、モチベーションが上がらないから安易に転職してもうまくいかないよ。

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