読書にまつわる13のノウハウ どうせ読むなら有意義に読もう!

息をするように本を読む人もいれば、本を読むことに激しい抵抗を感じる人もいます。わたしは前者なわけですが、それでも本を読んでいてつまずくことがあるのです。そんなときにどうやって気持ちよく本を読むか? ノウハウとしてまとめてみました。

難しく考える必要はない

本を読むことは娯楽だから自由に読めばいいんです。スポーツじゃないからルールもないし、ましてや超個人的な体験なのだから「最後のページから逆さまに読む」みたいな突拍子もない読書をしたって構わない。

わたしは毎日のように本を読みます。暇さえあれば読んでいるし、暇じゃなくても読んでいる。とにかく大好きなんです。

それでもうまく本を読めないときがあります。小説を読んでいて、ストーリーが頭に入らないこともあるし、最後まで読んで「なんの話だったっけ?」みたいになることもある。読んでいて気分が乗らない本なんて山ほどあるし、そんな本をしばらく放置して、読み返そうとして「全部忘れている」なんてこともある。

なんかうまく読めないなぁ、と感じることがありました。

そんな経験から「読書にもノウハウがある」と思うようになりました。

当たり前のノウハウもあれば、やっている人の少ないものもあるでしょう。全部を必ず実践しなければならない、ということではありません。ちょっと読書につまずいたときに、思い出してやってみればいい。そんなもんです。

ちなみにここでいう『本』は小説も自己啓発本もなんでも全部含めます。漫画は別かな? ジャンル不問で役立つノウハウが多いと思います。

1. 最初の1〜2ページは2度読む

これは小説の勉強会で教わりました。

「小説は最初の1〜2ページが重要」とは良く言われること。だからそこは著者が強い意思を込めて書いた大事な場面です。ところが読者の方はまだ小説世界に入り込めてない。

不思議の国のアリスがワンダーランドに飛ばされた瞬間のように、フワフワとした状態です。読んでいるつもりでも、気がそぞろだったり、さっきまでやっていたことに気が散っていたり、と集中できていない。

だから最初の1〜2ページはわざと2回読むといいです。1回目で段々と集中し始めて、2回目でグッと内容に踏み込める。毎回じゃないですが、わたしも冒頭が頭に入らないときは最初に戻って読み直します。

2. しおりは1ページ手前に入れる

本ってのは読み始めたら最後まで一気読みするに越したことはないのですが、毎回そうやって長い読書時間を確保することはできないものです。

だからしおりを入れて、あとで続きを読むわけですが、そのしおりは読み終わったページではなく、1ページ手前に入れておきましょう。

テレビでもCMが終わると、CM直前の場面が数秒映ってから、新しい場面に移ります。それとまったく一緒で、次読み始めるときに、すでに読んだ1ページがちょうどいいリマインダーになるんです。

3. 集中できないときは音読

本を読んでいて、なぜか集中できないときがあります。なんかソワソワしたりして、「ああ、本が読めない」と思うときがあります。

そんなときは音読です。音読をすると目からも耳からも情報が入るからなのか、グッと理解が高まります。理解が高まると集中力もついてきます。

全部音読するのは大変ですから、集中力が戻ってきたら黙読に戻ります。

4. タイマーを使うとグッと集中できる

読書をするときは余計なことを考えずに読むのが理想です。例えば「30分後にでかけるから、それまで読書しよう」と思ったとしましょう。普通に読書を始めると、ときどき時計を見て、確認することになります。

そのたびに「まだ15分もあるな」「お、あと5分か」「あと2分、そろそろ行かないと……」と頻繁に時計を確認して集中できないものです。本人は集中しているつもりでも、実はまったく集中できていない。

そこでタイマーです。

「タイマーが鳴るまで」と決めて読み始める。そうすると時計も見なくていいし、時間を過ぎてしまうことを心配しなくていい。やってみると驚くほど集中できるものです。

5. 線をひいたり、メモを書くのはすごくいい

読書家はかならず言うことですが、下線を引いたり、メモを取ることはすごくいいことです。ぜひやりましょう。

どういうわけか、ただ線を引くだけで理解が深まるんです。それを記録してなくても、あとで見返さなくてもいいんです。

これはね、電子書籍より紙が圧倒的に勝る部分です。電子書籍でも下線に相当する機能はありますが、電子的にハイライトする行為よりも、鉛筆でスッと線を引く行為の方がどういうわけか心に残る。本を消費・消化している感覚が高まるのかもしれません。

売るためにキレイに読む、という人もいますが、もったいない。

6. 人物表は作ってみるとおもしろい

筒井康隆は「人物表を作るのは読者の最大の楽しみだ」と言っていました。「登場人物が多いと燃える」くらいのことも言っていた気がします。

わたしも毎回やるわけじゃないですが、ときどきやっては「おもしろいなぁ」と思うのです。とくに海外の小説を読むときですね。馴染みのない名前が多いので、どうしても忘れてしまう。そんなときに役に立ちます。

最初は手間だと思うかもしれませんが、やってみると筒井康隆が言うとおり「人物表を作ること自体が楽しみ」に思えてきます。

7. 自分の読書ムードを理解しよう

読書にもムードがあります。小説を読みたいときもあれば、学術書を読みたいときもある。ノンフィクションを読みたいときもあれば、がっつりSFを読みたいときもある。ビジネス書、経済書、政治、科学、伝記……、本にはあらゆるジャンルがあります。

いくら読書好きでも「いつでもなんでも読める」わけではありません。

「小説を読み始めてみたけど、なんか小説って気分じゃないな」
「経済書を開いてみたけど、気分が乗らない」

そんなことはしょっちゅうです。そんな自分の読書ムードを無視しないでください。小説は小説を読みたいムードで読むべきですし、経済書ムードじゃないときにそんなもん読んでも頭に入りません。

「いま、自分は○○が読みたい」

そんな自分の読書ムードを尊重してあげてください。読み始めた本でも、気が乗らないなら横に置いておいて、ムードにあった本を手にとってください。そのためにも、あらゆるジャンルの未読本を手元に置いておきましょう。

そういう面で電子書籍はいいんですね。すべての本を持ち運べるから……。

8. 読み終わったら、ザッと最初からめくり直してみよう

小説でもそうじゃなくても、本を読み終わったら、ザッと全部のページをめくり直してみましょう。

読み直す必要はありません。パーッとめくるだけでオッケーです。下線なんかを引いているなら、そういう部分だけちゃんと読んでみたり、章のタイトルや、各章の冒頭部分だけ読み直したり、パッと目に入った文章だけ読んでみたり、そんなもんでいいです。

1冊を5分くらいで、あるいはもっと短くてもいいんです。

このザッとめくり直すという行為が理解を助けます。ビジネス書とか自己啓発書とかであれば、全体が記憶に定着しやすくなりますし、小説なら走馬燈のように全体を早送りでリプレイすることができます。

最初は分からなかったことが、最後まで読んだいまは一瞬で理解できちゃったりするものです。

9. 異なるジャンルの本なら平行して読んでオッケー

本は平行して何冊も読んでいいんです。そのかわり私のルールはジャンルだけ分けること。経済書を2冊とかだと(調査のためなど、理由があるなら別ですが)、混乱しますし、著者の主張が混ざります。

例えばいま読んでいる本を挙げるなら

  • Making it All Work(GTDを提唱した著者の続編、英語の勉強のために読んでる)
  • 久生十蘭短編集(小説の短編集)
  • 「知的野蛮人」になるための本棚(本の選び方・読み方的な本)
  • インタビュー術(ライターがインタビューする上でのノウハウ本)

の4冊を読んでいます。括弧内の内容を見てもらえば分かるように、内容が違うのでまったく混ざりませんし、先ほど書いた “読書ムード” に合わせて、本を選べるので、いつでも無理なく読書ができます。

わたしの場合はいつも2〜4冊くらいを平行しています。

10. 「この本の究極の1行はどれか?」と聞かれているつもりで読む

これすごく大事です。ノウハウ本でも小説でも同じ。いつも「この本の究極の1行はどれか?」という問いを意識して読んでみてください。

どんな本でも著者は何か1点からイマジネーションを広げ、知識を掘り下げ、広げて書いています。いきなり全体が浮かぶわけではありません。小説でもいい作品には「これだ!」というメッセージがあります。何気ない誰かのセリフだったり、ちょっとした風景描写だったり、とにかく何か刺さる文章があるはずなのです。

もちろん読者によってどの1文が刺さるかは違います。それが読者の個性です。

「いまあなたが読んでいる本の究極の1行はどこですか?」

11. 読書メモは小さな大学ノートがいい

読書メモはポケットに入るくらいの小さいサイズのノートがいいです。あれは何サイズっていうんでしょうね? わかりますよね。

スマホでメモ、という人もいるでしょうけど、わたしはノートをオススメします。サッとメモがとれて、筆跡に気持ちがこもる。大きく書いたり、弱々しく小さく隅っこに書いたり、そのメモに込めた気持ちが表れるんです。

12. 慣れないジャンルに手を出すときは簡単なものから

初めてのジャンルに手を出すときは、無理せず簡単なものから入りましょう。

「簡単な本」の定義をするのは難しいですが、とにかく前提知識がなくても読めるものがいいです。例えばまったく経済の知識がないのに「近代資本主義の問題点」みたいな本を読んでもピンとこない。まずは「そもそも資本主義とはなにか」という入門本から始めるべきでしょう。

恥ずかしがらず、思いっきり簡単な本を手にとっていいんです。なんなら「マンガで分かる〜〜」みたいな本から始めてもいいです。深い知識や専門的な知識は次に読む本から得ればいいんです。

新しいジャンルの本を読むときは、読み終わって「これくらいのことはほとんど知ってたな」と思うくらいの本でいいんです。ほとんど知っていると言ったって、それを体系的に知っているわけじゃないですし、知らない知識も少しはあったはずです。その分野の癖や言い回し、論調といったものに慣れる意味もあります。

助走みたいなものです。

13. 1冊の本に答えはない、同じジャンルの本を何冊も読もう

1冊の本で全てを知ることはできません。1冊の本は1つの懐中電灯みたいなもの。真っ暗闇の洞窟で、1つの懐中電灯で照らせるのは1点だけです。それでは全体像が分からない。

2冊3冊と読むことで、視点が増えていきます。そうやって徐々に暗闇だった洞窟がぼんやりと見えてくる。形が見えて、分岐が見えて、転がっている岩の姿が見えてくる。そうして始めてひとりで歩けるようになるんです。

できれば真逆の本を読むといいです。資本主義を肯定する本と否定する本。進化論を肯定する本と否定する本。そういった対比で読んでいくと、論点が見えてくる。

でも同じ論調の本でも数冊読むと、グッと見えてくるものがありますよ。別の人が書いているのであれば、同じ意見を言うにしても言い回しが違うはず。

小説でもそうです。例えば、親殺しをテーマにした小説を2冊も3冊も読んでみる。みんな置かれた状況が違ったりする。ハッピーエンドだったりバッドエンドだったりする。

その違いが厚みになるんですよ。

書いてみるとたくさんあるな

書いてみたら13個もありました。

別の読書は難しいものではないんです。こういったテクニックやノウハウというのは読んでいるうちにほとんどの人が身につけるもので、放っておいてもやっていることが多いんです。だけど、もし1つでも2つでも「これは意識してなかったな」と思うものがあれば、参考にしてみてください。

あなたの読書のノウハウはありますか? Twitterなどで教えてくれると嬉しいです。

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