きもの男子日記:着物を買いに行くのって不安だよね

さて着物を始めようと思ったあなた。買いに行かねばなりません。先日、私も買いに行ったばかり。その体験を元に「買いに行く方法」を語ります。

買いに行く前日までに

どこに行っていいか、素人が行っても大丈夫か? どの程度の知識が必要か? など不安がいっぱいです。私もそうでした。

そんなあなたのために買いに行く前日までに考えておくべきことを説明します。

呉服店=玄人の店ではない

まず呉服店=玄人向けの店と思うのはやめましょう。呉服店って、清楚な着物のおばちゃんが派手な着物に囲まれて、上品に立っているイメージですよね。あんなのマスコットみたいなもんです。呉服店だから着物着てるだけ。

着物の売り上げが低迷している現代では、わたしたちのような初心者の存在は店が喉から手が出るほど欲しいもの。堂々としましょう。実際、みんな凄く親切でしたよ。

知識はいらない

知識はなくていい。知ったかぶりすると、教えてもらう機会をなくします。店に入店するなり「初めてなんです。教えてください」と宣言しましょう。

とはいえ、本当に知識ゼロで行くのは不安、という人もいるでしょう。私もそうでした。そこでオススメの戦略は

「少し勉強しておいて、店ではなんにも知らないフリをする」

です。ネットや本をサーッと見ておいて、基本的なことを理解しておきましょう。別の記事で改めて説明しますが、生地の種類、着物で必要な小物、簡単な用語など、少し頭に入れておきます。

で、店では「無知なフリ」をします。「本当に何も知らなくて……」と言ってしまいましょう。そうすると不安がないですし、色々教えてもらって、本当に勉強になります。

どういう場面で着たいか、を明確に

知識とは反対に「どういう場面で着るのか」や「今後の着物との付き合い方」は明確にしましょう。

「週末の普段着にしたい」くらいで結構です。お店の人が気にするのは「かしこまった場に行くかどうか」。スーツと同様、着物にもTPOがあります。もし友だちの結婚式で使いたいのであれば、ちゃんと伝えましょう。

もう少し具体的に説明してあげると、店の人も探しやすいかもしれません。

  • 「東京散策が好きだから、そういうときに着られる着物がいいな」
  • 「ちょっとカフェで読書なんてときに使いたい」
  • 「かしこまった場面ではないが、人と集まるときに使いたいから、恥ずかしくないものがいい」
  • 「部屋着+近所の買い物くらいでしか使わない」

こういった「場面」に加えて、今後の着物との付き合い方も考えておきましょう。

「今後、もし着物が馴染んできたら、買い足して、もっともっと着たいと思ってる」
「しばらく買い足すことはないと思うから、長く使えるものがいい」

などと説明すると、今後の展開も意識した着物選びができます。

予算

予算はビシッと聞かれます。このあたりが洋服と違うところで、洋服は「高級な店では高級な服」「安い店では安い服」を売っていることが多いです。対して着物はひとつの店で安い服から超超高級なものまで並んでいることがあります。

そしてそのどちらも「普段着」なのです。つまり3,000円のジーンズと、300,000円のジーンズが並んでいる状態。

あなたの予算次第です。

と、言われても相場が分からないと、予算が決まりませんね。もし予算が頭にあるならそれを伝えてください。それがなくて、「できるだけ安くしたい」のであれば、そう正直に伝えてみてください。アレコレ考えるより、聞いちゃった方がいいです。そしてその答えでお店を評価しましょう。

優しい店なら「うちの店だとこれくらいで揃うよ」と教えてくれます。それを聞いて考えればいい。冷たく対応する店なら、もう行かなきゃいい。

ちなみにリサイクルの着物であれば、2〜3万円くらいで全部揃えられるかと思います。5万円出せば、結構選べる。小物を省略して、1万円以下で始めることも可能です。

(小物を省略 ▶ 長襦袢という和服のインナーみたいなやつをなしにしたり、草履をサンダルにしたり、足袋を靴下にしたり……。普段着なら問題ないです)

どの店に行こうか?

すべてのアドバイスはできません。ネットで検索してご近所の店舗を探してください。

予算が3万円以下ならリサイクル店がオススメ。これは意見が分かれるところで、初心者だからこそ、バシッとサイズの合うオーダーメイドを勧める人もいます。それはそれで分かるのですが、3万円じゃ全部は揃わない。予算が5万なら、作ってみてはいかがでしょうか?

一方ネットで買うのはやめたほうがいいです。サイズも分からないし、触り心地も分からない。お店は凄く勉強になりますので、勉強のつもりで実店舗に行くべきです。

東京近辺の人は浅草に行かれてはいかがでしょうか? 着物屋さんだらけで楽しいですよ。

私のオススメのお店を紹介しておきます(すべて浅草)

ちどり屋(男の和服専門店)
福服 浅草店(男物を比較的多く扱ってる)
まつもと履物店(履き物ならここ)

実際に上記の店で買いましたが、良かったです。とくにちどり屋。主人が自信を持って、バシッとアドバイスをくれます。

実際に買った私の1日

上記を踏まえて、実際に私が買った1日を紹介します

前日まで

前日までに何となくは勉強しておきました。長着と羽織が必要で、帯が必要で……、生地は絹・ウール・木綿・ポリエステルとかがあって……という具合。漠然と「紬とか絣ってのはカッコいいな」とか思ってました。

当日

妻とふたりで浅草へ。ひとりで行くより、こうやって数人で行くのがオススメです。嫌なときに「いらないです」と言いやすいし、店を出やすいから。

浅草をブラブラしながら着物屋さんっぽい店は全部入店。入ると、店員が寄ってくるので

「着物を始めたいんですけど、わたしのサイズありますかね〜?」

私は身長が180cm。着物リサイクルの世界では少数派。置いてない店が多いのです。「今、これしかないですね〜」とひとつふたつ出してくれる店がほとんど。

その大半がポリエステルの着物。個人的な趣味の問題で、ポリは避けたかったので、これらはスルー。でも、せっかくだからと着せてもらったりもしました。着てみるとテンションが上がりますし、サイズ感が分かってくる。着物は身丈とか裄という数字でサイズを測りますので、着せてもらって「このサイズはいいな」と思ったら、その数字を覚えておきましょう。

そんな中、ちどり屋さんは違いました。

入るなり「着物始めたくて、サイズはありますか?」と言うと「サイズは全然問題ありません。どういうのをお探しで?」と自信満々。この時点で「買うならここかな」と思いました。

「これから普段着として着てみたいと思ってて……、できればポリエステル以外。あんまり予算がないんですけど、2万円台とかで……どういうのがあるんでしょう?」

ってな感じで話していると、出してくれたのが紺色・ウールの着物。アンサンブルと呼ばれる、同じ生地で羽織と長着がセットになっている新古品でした。

「冬は寒いからウールがいいよ。自宅で洗えますしね。それに最初の1枚には紺色はいいよね。長く使えるし飽きが来ない。予算が5万くらいなら、また別の選択肢が色々あるけど……。温かくなったら絹とか別の生地も考えたら?」

と初心者の対応に慣れているようで、先の提案までしてくれます。

着せてもらって、すぐに納得。サイズも合うし、ちゃんと自然繊維。将来、いいやつを買い足したとき、これを部屋着にすることもできる。シンプルだから最初の1枚としてはばっちり。

小物も基本的なものは全部この店で買えます。

というわけで、私の最初の着物はちどり屋さんでした。

この日、いろいろ教えてくれて、この1回の体験で、一気に着物に対する知識が深まり、不安がなくなりました。

「また来ます」と告げて、この日は終了。

難しくない

復習です。

  1. お店に行く前にちょっとだけ勉強しておく
  2. お店に入るなり「初心者です!」と宣言
  3. 「こんな場面で着たい」とはっきり伝える
  4. できれば予算も明確に
  5. いくつか実店舗に回って勉強
  6. 買う

洋服と同じだと思います。はじめてスーツを買ったとき、紳士服屋さんに行って「今度就職でスーツが必要で……」なんて感じで相談して、あれだこれだと教えてもらって買ったはず。同じです。

偉そうに書いてますが、この前、初めて買った初心者です。皆様もぜひ。

-----------------------
連載企画のご紹介です。
原稿用紙1枚の物語 - 原稿用紙1枚で小さな物語をお届けします(毎日更新)
世界旅小説 - 2年かけて回った世界の国々を舞台にした読み切り短編小説の連載です(不定期更新)
ブログランキング・にほんブログ村へ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です