だらしなく生きたいという願望がなぜ生まれたのか考えたら、ちゃんと答えが出た話

幼い頃からへんな願望があります。それは汚い部屋でだらしなく生きたいというもの。やろうと思えばできるのに、やらないのはなんでだろう、と考えてみました。みなさんもへんな願望があったら、一緒に考えてみてください。

だらしなく生きたいという願望

マトリックスという映画をご存じでしょうか?

あの映画の中で主人公ネオが住んでいた部屋を思い出してください。薄暗くて、ジメジメしてて、ガラクタが並んでて、寝るときはパソコンの前で突っ伏して寝ちゃう、あのネオの部屋を。

もしご存じないのであれば「アングラの有名なハッカーが住んでそうな汚い部屋」を想像してください。埃の溜まったキーボード、コーラやビールの空き缶の山、ぐちゃぐちゃになったベッドのシーツ。かぴかぴになったピザの空き箱……。

ああいう部屋に憧れています

マトリックスを見て願望を持ったのではありません。その前からずっと思い焦がれていて、あの映画を見たとき「そうそう、こういう部屋に住みたいんだよ!」と変なところで感激したものです。

さらに突き詰めると、だらしなく寝たい願望

自分の願望を突き詰めて考えると、願望はベッドへと向かって行きます。だらしない部屋を妄想するとき、妄想の中心にはいつもだらしないベッド……。どうも部屋そのものより「だらしなく寝たい」という願望があるようなのです。

たとえば会社から帰り、疲れた身体でベッドに倒れ込み、そのまま寝ちゃう。あるいは家で徹夜の仕事をしていて、机で突っ伏して寝てしまうとか、ソファでバタンと寝ちゃうとか……。

とにかく、だらしなく寝たいのです。

この「だらしなく寝たい」願望の背景には、ちゃんと寝てしまう自分が存在します。

ちゃんと寝てしまう自分

わたし、死ぬほど寝相がいいのです。

朝起きても掛け布団は寝る前と同じ。あっちに行ったり、こっちに行ったりしません。寝返りは打ちますが、どうも無意識に布団をずらさないように、丁寧に寝返りを打つようです。左右に転がるのではなく、その場でクルンと回ります。

幼いころ猫を飼っていて、毎晩一緒に寝ていたため、ネコを起こさない寝相が身についたのでは? と妻には言われます。それほど寝相がいいのです。

寝支度もちゃんとしています。しっかりシーツを敷き布団の下にクルンと巻き込んでおいて、ピシッとした布団で寝ます。

寝支度もよし、寝相も良し、すると朝もすっきり! 嬉しいね。

本当の願望

と、そんなこと、わたしが望んでないのは最初に書いたとおり。

だらしなく寝たいのに、無意識にちゃんと寝てしまう。

この記事を書くにあたり、考えました。なぜわたしはだらしなく寝たいのか……。結論なんか出るわけない、と思っていたのですが、延々と考え、結論がでました。

わたしは「ちゃんと寝られないくらい忙しい人生」を望んでいた気がするのです。

たとえば会社員が「明日までにやらないと……」と薄暗いオフィスでカタカタとキーを叩く姿、締め切り近い作家が血眼になって原稿用紙に向かう姿、豪雨の夜に「稲が心配だから」と合羽1枚羽織って田んぼに向かう農家の姿……。

そんなギリギリの仕事をしている人に憧れている気がするのです。

そんなギリギリの仕事人たちへの憧れを、幼い頃「バタンとだらしなく寝る姿」に投影していた気がします。

それじゃ、そうやって生きようじゃないか?

この記事を書くにあたり、本当に頭を抱えるようにして考えました。なんでわたしはだらしなく寝たいのか? と。

ふだんから書くことは考えることだ、と思っているのですが、これほど考えたのは珍しいというくらい考えました。読者にとってはどうでもいいことかもしれませんが、わたしにとっては、結構大きな「アハ体験」なのです。

たぶん、わたしが生半可に論理的なせいだと思うのですが、1日中仕事ばかりなんて良くないという想いがあります。「論理的に考えれば、仕事と家族と遊びをちゃんとバランス良くやれないなら生きている意味ない!」だろう、と。

この「論理的に考えれば」というが呪縛なのです。

自分が生半可に論理的なせいで、知らず知らずのうちに論理的な人生設計をしようとしたり、論理的な行動を取ろうとしたり、論理的に考えようとしてきました。でも、心の奥底では「論理なんてかんけーねー。やりたいことがあって、四六時中それをやってる人生の方が熱いじゃねーか」という想いがあり、それが「だらしなく寝る」という形になって、胸に残り続けていたんです。

頭で考えることよりも、ふつふつと湧いてくる欲求の方が正しい。

そんなものなのかもしれません。

これまで以上にがんばって働こう。もうへんな願望を起こさなくていいくらい仕事しよう、と思った次第です(今でも結構忙しいんですけどね)。

とりあえず、今晩はちゃんと寝ます。

みなさんも、自分の願望を掘り下げて考えると、意外な「本当の願望」が見つかるかもしれませんよ。

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