mixi時代の女ストーカー(第3回 浴びた言葉に目眩編)

さて、前回まで(第1回第2回)でストーカーの土壌が出来上がりました。K子はほとんど毎日、わたしが乗る電車に乗り、満員電車の中で隣に立ち、話しかけてくるようになりました。その時の一部始終と、その会話から導き出した情報を整理し、解決に向けての動きを書いていきます。

10ヶ月間、ひたすら話しかけられた

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ストーキングは10ヶ月も続きました。されたことは基本的に「ついてきて、話しかけてくる」だけ。わたしの気付いた限りではそれ以上のことはあまりありませんでした(いや、少しはあったけど)。

そこで電車で言われた言葉ベスト5を挙げていきます。すべて満員電車の中で怒鳴り気味に言われた言葉ばかり。そして、こういった会話から、いろんな情報が引き出されていきました。

5位 どうして?

「ねぇ、わたしじゃダメなの!? どうして?」と突然言い始める。
「困ります。やめてください。ついてこないでください」
「だって、いままでうまくいってたのに」
「!?」

何がうまくいっていたというんだ!?

4位 子ども

「この前、友だちの家に行ったの」
「ついてこないでください!」
「そしたらねぇ、友だちの赤ちゃんがかわいくて、すっごくあなたに似ていたの! そしたらあなたに会いたくなっちゃった! ウフ!」

知らんがな!

3位 アナタとなら……

「ねぇ、わたしと今晩会わない?」
「会いませんし、もう会いたくないんです。ついてこないでください」
「なんで? わたしはアナタと寝てもいいと思ってるのよ」

わたしは寝たくありません!

2位 ねぇ、昨日……

「昨日、バイクでどこに行ったの?」
「(なんでバイクで出掛けたこと知ってんだ!?)バイクになんか乗ってないです」
「ウソ! ねぇ、どこに行ったのよォ〜。ネェ〜」

たしかにバイクでツーリングしました。しかし家を出たのは朝の4時。帰宅は夜です。どうやって気付いたというのでしょう?

朝、見張っていたのかもしれません。あるいは、家にバイクがないことを確認したのでしょうか……。しかし本当の恐怖は翌日の会話でした。

「ねぇ、一昨日、バイクで山梨に行ったんでしょ。いいよねぇ、山梨。今度わたしも連れてってよ」

たしかに山梨に行ったのです。どうして昨日までバレてなかった行き先がバレたんだ……。この一件がストーカー事件を一気に解決に導く結果となりましたが、それは後半で。

1位 あなたが小さい頃

「あなたが小さい頃、かわいかったよねぇ」
「(なにを知ってんだ?)なに言ってるんですか?」
「ほら、自転車でお母さんの後ろに乗って買い物に行ったりしてたでしょ〜」

なんで知ってんだ? もしかしてこいつご近所の人なのか? 年が自分よりも10歳上だから、わたしが5歳のときにK子は15歳。当時、わたしを見かけたのかもしれない。

近所に住んでるに違いない!

言葉の数々

こういう意味不明な言葉を毎日のように言われてました。すべて記録しておけば良かった、とつくづく思います。

その中から発見が2つ

上のような会話から、いろいろ推理を始めました。

気になることは2点。

  1. どうしてわたしが山梨にバイクで行ったことを知っているのか。また、どうしてあとになって山梨に行ったことがバレたのか
  2. どうしてわたしの幼い頃のことを知っているのか

K子は1で書いたように、なぜかわたしのことをよく知っている。食べたものとか、行った場所とか、読んだ本とか……。

「あなた昨日のお昼は中華でしょ? わたしも今日は中華にするんだ!」
「お願いですから、話しかけないでください。迷惑です」
「また〜」

なんて会話があったくらいです。

最初は盗聴を考えました。しかし、それにしては疎い。盗聴していれば山梨にツーリングしたことくらいすぐに分かりそうだし……。

尾行に関してもいつも注意していました。彼女が電車から降りても、ギリギリで別の車両に乗られることを警戒し、目を離しませんでしたし、この10ヶ月いつも尾行に気を配っていました。

会社に行くのだって、いつも違うルートを心掛けていましたからね。

ある日、気が付きました。

mixiだ! ——と。

mixiから漏れてた

そう。ほとんどの情報がmixiから漏れていたんです。mixiでわたしが書いた日記を読んでいた、というわけ。友だち以外にも公開していたし、実名で書いていたので簡単に見つけられたのでしょう。

たとえば山梨ツーリングの件ですが、K子は朝、バイクで出ていくわたしを見ていたのです。あとで説明しますが、K子は近所に住んでいるので、窓から見ていればバイクで出掛けて行くわたしを見つけることは簡単です。

で、わたしがmixiに日記を書くまで「どこに行ったか」は分からなかったのです。見られていることに気が付かず、「山梨にバイクで行ってきた」という日記をわたしが書き、それをK子が見たんですね。

この日から、mixiに書く内容に注意を払いました。わざと嘘を書いて、罠にかけ、mixi経由で情報を得ていることも確認しました。

そして当時大っ嫌いだった「足跡機能」を見ると、彼女のものと思われる名前を発見。最初にもらった手紙の中にあった彼女の名前と一致しているので、間違いありません。

近所に住んでいることを確認

そして幼い頃のわたしを知っていることから、近所に住んでいると予想。家を探すことにしました。

名前が分かっているので歩き回れば見つかるはず。休みの日に家の近所を歩き回ること5分。あっという間の発見です。

詳細は控えますが、うちから目と鼻の先という場所にある一軒家。

情報戦に突入か!?

そして次回、最終回です。

相手の情報を得たわたしは、なんとか戦わないと! と意気込んでいました。

最後の手段として警察にいくことも考えていました。その時のためにK子からもらった手紙などはすべて会社の引き出しに保管していましたし、「もしわたしが突然死んだら、ぜったいK子だ」と会社の先輩にも告げていました。

しかし、自分で対応してやる、という妙な闘志に燃えていたので、まずは自分で対策することに。結果としてうまくいきましたが、オススメできません。みなさんは警察に行きましょう。

わたしはなぜか、あっという間に解決に至りました。

次回はこちら→ mixi時代の女ストーカー(第4回 一撃KO編)

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