《ネット時代のバンド活動》15年前と今のアマチュアバンド活動を比較してみる

まだ今ほどネットが普及していなかったときにバンドをやっていました。あのときから比べて、いかに変わったかを比較しながらご紹介したいと思います。

現代のバンドマンよ、ありがたさを知れ

わたし、昔バンドでベースを弾いてました。かれこれ、15年くらい前でしょう。今じゃひとりで弾くばかりです。

で、ふとしたきっかけで、スマホ/タブレットをアンプ代わりに使えるアプリAmpliTubeのことを知り、試して衝撃を受けました。

「現代のアマチュアバンド事情が凄すぎる!」

当時のアナログ的バンド活動

現代のバンドマンを取り巻く状況のありがたさを理解するためには、当時の状況を理解する必要があるでしょう。

だから当時のことを語ります。

大体15年前、つまり2001年頃のお話です。

音源

懐かしきカセット
懐かしきカセット

わたしの頃はちょうど “デモ音源” がカセットテープから、CD-Rへと移行した時期でした。

カセットテープもCD-Rも、自分でコピーするので、100本テープを作るぞ! と決めたなら、メンバーで分担してひたすら音源をコピーしていく作業が始まります。

メンバーが4人いれば25本ずつ。

CD-Rになって、速くはなりましたが、それでもやってることは変わりません。それをライブ会場で販売します。

無料で配布したいと思ったなら、カセット代など実費分は自分たちで負担するしかありませんでした。

ウェブサイト

ようやくアマチュアバンドがウェブサイトを作るのが一般的になってきた時期です。まだブログなんてありませんでした。

バンドにひとりHTMLを書けるやつがいて、そいつがコツコツとサイトを作るんです。

ライブの告知は、他のバンドのウェブサイトにある掲示板でやるのが一般的でしたよ。

「こんにちは! ○○というバンドです。来週ライブがあります!」みたいに。ダサ!

レコーディング

すこし力がついてきて、人にレコーディングをお願いできるようになる前は、みんなで金を出し合ってMTRという、重ね録りができる機械を買って、自分たちで録音するんです。

安いMTRだと(普通のアマチュアバンドはみんな安いのしか買えなかった)8トラック以下ですから、あまり凝ったこともできず、あれこれ工夫して録音したのを覚えています。

自宅練習

自宅で練習するためにはギター・ベースの場合、

  • 楽器本体
  • アンプ
  • ケーブル
  • エフェクター
  • チューナー
  • ヘッドホン

あたりが必要です。アンプ買うのに、近所迷惑だからヘッドホンで練習するんです。悲しいですね。

で、現代ですよ!

15年前はそんな状況でした。しかし今は違う。ざっくり、今ならなにができるか、考えてみましょう。

音源

スマホ1つでなんでもできる
スマホ1つでなんでもできる

カセット? CD? 今はネットで配布/販売でしょう。レコーディング後にかかるお金はゼロです!

無料で配布したいなら、各種ウェブサイトが活用できます。YouTubeなんて最高ですよね。ライブ映像や簡単な自主制作PVを作ることだって可能です。

映像なら歌詞も表示できるから、歌詞に凝ったバンドなんか、伝えやすいでしょうね。

音源の販売だって、簡単ですよ。今はいろんなサイトがありますから、オンラインで販売すればいいんですよ。

必見!曲をオンラインで販売するのに便利な5つのサービス。

たとえば、ライブ会場で売りたいケースなんかもあるでしょう。

わたしなら、そこでCDは売りません。これはあくまでひとつのアイディアですが、オンラインで音源を買う権利がついた小冊子を売るんです。

小冊子にはバンドに関する情報、レコーディングの裏話、メンバーによるエッセイ、曲からインスピレーションをうけた小説なんかを載せる。どういうものが受けるかはトライ&エラーで探る必要があるでしょうけど、CD単体よりも楽しいんじゃない? 帰りの電車で読んでもらえるかもしれないでしょ。

ウェブサイト

こんなの昔と事情が違いすぎて笑いが止まりません。

自分のウェブサイトはWordPressあたりでちょちょいと作る。

ファンとのやりとりはFacebook、Twitter、その他のSNSで。

音源は前述のサイトで配布/販売。

宣伝的にYouTubeで自主制作PVを配信。

レコーディング風景とか、作曲風景をUSTREAM/ニコニコ/Periscopeなどの生放送サイトで配信。

ツアーの際には、ツアー先での日常風景を生放送で配信してもいいでしょう。

楽器のこととか、曲に関する想いとか、YouTube/生放送系で配信すると、コアなファンは喜ぶでしょう。

レコーディング

まじで、スマホひとつでいけます。タブレットがあればもっとやりやすいかもしれません。

ノートパソコンがあれば、それでもいい。AmpliTubeとかGragebandみたいなパソコン上のレコーディングソフトを使えば、めちゃくちゃ安く録音できます。

もちろん、「生のアンプの音には勝てない」なんて意見はあるでしょう。わかります。でも、中高生で「とにかく録音したい!」というバンドが、手軽に始められるというのは凄いメリットです。

音だって、うまくやれば悪くないはず。

さらにいえば、ビデオ系アプリを使って、PVまで作れる。つまり、スマホひとつでレコーディング+PV撮影+ネット配信まで持っていけます。

自宅練習

うえのレコーディング環境と同じ環境で練習できます。つまり、自宅練習に必要なものは……

  • 楽器
  • ケーブル
  • スマホ/タブレット/パソコン
  • ヘッドホン

のみ。アンプもチューナーもエフェクターもなしで練習できます。体験してもらえば分かりますが超簡単です。

昔は難しかった “コラボ” で活動を活性化

ここまでは昔との変化、という視点で書いてきましたが、昔できなかったことで、超が10個も20個もつくおもしろいことができます。

それは「コラボ」です。

音がデジタル化し、録音が簡単になり、映像作成が簡単になり、配信はネットから無料で可能。そうすると、あらゆるコラボが可能になります。

たとえば……

アマチュアバンド × 自主制作映画監督

自主制作映画の音源としてアマチュアバンドの曲を使う

アマチュアバンド × ネットラジオ配信者

ネットラジオのテーマ曲やBGMとして使ってもらう

アマチュアバンド × アマチュアバンド

同じテーマで作曲/録音し、ネットで曲バトル。例えば「不倫」をテーマに2つのバンドが曲を作り、どっちがいいか!? と投票してもらう。

アマチュアバンド ×  アマチュア小説家(あるいはどんなクリエイターでも可)

上のバンド×バンドと同じように、共通のテーマで作品を作り発表する。たとえば「遠距離恋愛」をキーワードにバンドは曲を、小説家は小説を、画家は絵を描く。それをSNSやウェブサイトを通じて配信。

おもしろいでしょ?

という具合に、ネットでいろんなクリエイターとコラボしたらいいと思うんです。

今でもやっている人はやってます。

たとえばnote.muで活動している “りとるらいと” さんは、自主制作音源を無料/有料で配信し、「自由に使っていいです」と公言しています。

で、やっぱりnote.muでネットラジオを配信している人や映像作品を作っている人たちが、そのBGMとして利用しています。

こういうコラボを促進するために大事なことは2点

  • 自分の音源を、ケチらず「使っていいよ!」と公言しちゃう
  • 近い価値観のクリエイターに連絡してコラボの提案をする

いま「フリーの音楽が欲しい」という需要は多いです。YouTubeで動画を作るわたしの妻もフリーの音楽を探しています。

だからこそ「自分の曲を使っていい」とちゃんと公言することが大切。

羨ましい

正直羨ましいです。

もし、今、バンドをやっていたならば、きっとネットを活用した配信とかがんばったと思います。だって聞いて欲しいから。

もちろん、ネットが広がって、有象無象がネットに蔓延ってるから、その中で目立つのは大変でしょう。だけど、可能性はグッと広がったと思う。

CDの売上が下がっているなんて話はありますが、そんなこととは関係なく、アマチュアバンドが活動する土壌はできあがっている。

これはすごいことですよ。そのうち、現代のアマチュアバンドのマーケティングについて、もう少し踏み込んで考えてみたいと思います。

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