日本と欧米のネットコンテンツを見比べて、やっぱり日本は私小説的なものが好きなのかもしれない、と思ったこと

最近、欧米のYouTubeを見ることが多くて、日本と欧米の番組の違いを痛感しています。なんでだろう? なんでだろう? と考えていて悶々としてきたので、ちょっと記事にまとめてみました。


私小説ってご存じですか?

いきなりですが、私小説ってご存じですか?

「私小説」
日本の近代小説に見られた、作者が直接に経験したことがらを素材にして書かれた小説をさす用語である
私小説 | Wikipedia

「日記的」と言われることもあるジャンルです。

堅い話は抜きにしますが、飾らず、自分をさらけ出すような小説が多いですね。自分の恥ずかしいことこそが、小説のネタである、と言わんばかりの作家が多いです。

志賀直哉など、自分の浮気のことを小説にしてしまうほどです。

性欲、性癖、そういうものも全部書いちゃいます。

ポイントは、この私小説というのが「日本文学のジャンルである」ということなんです。

I Novel

試しにWikipediaで私小説の英語の情報を探すと「I Novel」と呼ばれていることを知りました。

I-Novel (私小説 Shishōsetsu, Watakushi shōsetsu?) is a literary genre in Japanese literature used to describe a type of confessional literature where the events in the story correspond to events in the author's life.
I Novel | Wikipedia

小説の歴史に詳しいわけではありませんが、どうやら、小説の世界でも、日本は世界とは少し違う流行を持っていたように思います(この辺、詳しい人の意見が聞きたいです)。

ほら、ガラケーの由来となった「ガラパゴス化」と言われる所以ですね。

この私小説の話をとって、小説もガラパゴス化している、とは言いませんが、少し欧米とは違う路線を歩んできた、とは言っていいと思います。

話は現代、ネットで見かけるコンテンツのこと

さて、ちょっと話を現代に戻して、ネットで見かけるコンテンツを考えてみましょう。

結論から言えば、やっぱり欧米と日本は違った進化をしているようです。

たまたま最近、欧米と日本の違いを2カ所で感じたんです。

(1)ブログで感じる世界と日本

情報収集として、英語圏のブログを読むことがあります。

とくに海外を旅行していたときは、外国での情報が欲しいので、意識的に英語の情報を積極的に活用していました。

率直に言って、英語圏で検索上位に来るような記事は、まるで雑誌の記事のように完成度の高いものが多い。そのまま紙媒体に載っていてもおかしくないような記事が、無料でゴロゴロしてる。

文章だけでなく、あらゆる面でやたらとプロフェッショナルなんです。デザインなんかも、すごい凝ってて、プロのデザイナーが作ったようなサイトがたくさんある。

日本だと、私のブログもそうですが、比較的「手作り感」がありますよね。決してプロの仕上がりではない。

試しに「ベース 弾き方 ブログ」で検索して上位に引っかかった日本のサイトはこんな感じ。

たとえば、こちらが「Bass How to blog」で検索した英語圏のサイト。

どっちが良いとか悪いと言いたいわけではなりませんし、内容は一切読んでいません。

でも、なんか欧米のブログは洗練されたものが多い印象があるんです。少なくともパッと見は。

(2)YouTubeで感じる世界と日本

次に同じ観点でYouTubeを見てみます。

最近ベース系の動画を見ることが多いのですが、私が好きな中級者向けのベース・ハウツー動画がこれです。

内容は見なくてもいいです。でも、意識して欲しいのは、映像的な、あるいは番組としての完成度。映っているのは、このベース奏者だけで、こういう種類の動画は日本にも沢山あります。

でも、紹介した動画には、しっかりカメラマンがいて、きっちり編集されて、番組として作り込まれていることがよくわかります。

決してベースが得意な人が、家にあるパソコン・スマホひとつで、適当に撮影したっていうレベルじゃないんです。

背景のボケ感を見ても、きっとそれなりにいいレンズを使ってるのだろうと想像されます(これは本当に想像です)。

なにが言いたいかというと、“一見、個人のベース講義の動画” に見えるけど、実はそういう風に作り込まれたプロの番組だと、私には思えるんです。

一方で、日本語圏で視聴者数の多いベース・ハウツー動画だとこんなのがあります。

パッと見て、手作りです。

ブログと同じで、どちらがいいというつもりはないんです。

素を出す日本とエンタメの欧米

ここで、私小説の話が帰ってきます。

なんだか今の日本で流行っているコンテンツやその見せ方が、私小説的なんじゃないか、と思うんです。

欧米のコンテンツは、テレビ番組的・雑誌的な作り込まれたショーのようなものが多い。一方で、日本のコンテンツは「ぼくはこうなんだ!」という、個人が個人らしい発信をしている。

YouTubeなんか結構顕著だと思います。普段、YouTubeの英語番組を見る機会が多い人は、その番組の完成度の高さに驚くことも多いでしょう。

「こんなの、どうやって作るんだよ!」と思うような、凄い番組がゴロゴロ転がってます。

例えば、先ほどご紹介した英語のベース・ハウツー番組ですが、こういうのを日本語で見たいなぁ、と思って探したのですが、見つかりませんでした。

個人の「弾いてみた」とか、いかにも「パソコンの埋め込みカメラで撮りました」みたいな、手作り感ある番組が多かったです。

なんでだろう?

なんでこういう違いが出るんだろう? と考えているのですが、結論は出ていません。考えられるのは2点。

  1. 日本では素を出すコンテンツが求められているから
  2. 日本語コンテンツは競争が激しくないから(英語に比べて)

みなさんはどう思われますか?

こういう違いはどこで出るのでしょう?

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