大人になった今『風の谷のナウシカ』の原作を読むべき3つの理由

『風の谷のナウシカ』の原作を読んだことがあるだろうか? もし子どもの頃に読んだという人がいれば、ぜひとも大人になってから読み直してみて欲しい。発見と感動が多いから。今日は原作を読み直すべき3つの理由を挙げてみた。

『風の谷のナウシカ』と言われて何を思い出す?

今、これを読んでいるあなたは何歳だろう?

わたしと同じなら30代。『風の谷のナウシカ』と言われて、何を思い出すだろうか?

「そりゃ、ジブリの名作だよ」

パッと、そう思った人に、ぜひ読んでほしいもの。それが『風の谷のナウシカの原作漫画』である。

原作を読んだことがある人、読んだことはないけど知っている人、原作の存在を知らない人。すべての人に「いま、もう1度読んでほしい」と声を大にして言いたい。

原作の魅力をお伝えしようと思う。

ネタバレはしないように気をつけているので、心配しないで欲しい。

1. 映画の5倍の世界観!

そもそも映画版『風の谷のナウシカ』ができたとき、漫画は2巻までしかできていなかった。そして映画は2巻の途中までを舞台として、映画用にアレコレカットされている。

実質漫画1巻分と少しくらいのボリュームが2時間の映画になっているというわけだ。

一方漫画の方はその後も連載が続き、7巻が最終巻である。もう、単純にストーリーのボリュームとして、漫画では映画の5倍の量を扱っている。

腐海の生まれたわけ。ナウシカたちが存在するわけ。そういうものがより鮮明に見えてくる。

2. ナウシカの苦悩や業の深さ

ナウシカは映画の中でも「シンプルな英雄」としては描かれていない。

英雄的素質を持ちながら、ときに怒り狂い、復讐のために的を殺そうとする、非常に人間らしいキャラクターだ。

それが漫画版ではさらに深められている。その最終巻で、こんなセリフをナウシカが残している。

わたしを守ってくれた人
みちびいてくれた人
大切な友人も
敵だった人々も……
埋葬すらしなかった

ナウシカ自身、自分の目的のために突っ走り、ときに仲間の死を目の前に、遺体を置いて行くこともある。そういう悲しさが深まっていくと同時に、彼女の追求する「腐海の真実」はより明らかになり、人類を導いていく。

ナウシカは高みに行くにつれ、悲しい業を背負う。そのコントラストが凄い。

3. 解き明かされる謎と現代のわたしたちとの関係

漫画版ナウシカで明確になることのひとつとして、現代人との関係がある。

正確には今わたしたちが生きている “現代” の少し未来の人間とナウシカが対話するシーンがある。

その内容を明かすことはネタバレになるので避けるが、宮崎駿氏の「認めるべきものは認め、否定すべきは否定する」というスタンスが非常に明確で気持ちが良い。

ただのフィクションとしてではなく、宮崎駿氏の現代への警鐘として、ドキッとさせられるものだ。

子どもの頃に読んだ人は、ぜひもう1度

はっきり言って、漫画版の『風の谷のナウシカ』はとてつもなく深く、結構難しい。

関係する人や国も多く、政治的な戦略などもちりばめられ、子どもが読むと「なんとなく凄い」という感じで、おもしろいけど詳細にまで気が回らないという感じだ。

大人になってから読むと、悪役と言われる人たちの行動にもそれなりの理解が示せるようになっていく。

「よくないことだけど、その立場に立てば、同じことをするかもな」

という歩み寄りを持った状態で読むことができる。そうすると、物語がより深く、多角的に楽しめるようになる。

だから、子どもの頃に読んだという人は、改めて読んでみてほしい。また感動できるから。

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