バーッと急いで文章を書いていると、喋るときに「えー」なんて言葉で間を持たせるように、余計な言葉で文章の間を埋めてしまうことがあります。
そういう「いらない語」は、意識して減らすべきです。今日は、自分のブログを読み直して「これはいらなかったなぁ」と思う語を、理由と共に挙げていきます。
追記
ちなみにこれらの語は絶対使ってはいけないというより、癖のようになり乱用しがちな語、という意味で書いています。
そういう意味で、タイトルも「いらない語」ではなく「多用しがちな語」くらいのほうが正しい気がしますが、1度このタイトルで公開していますので、変えないでおこうと思います。
「いらない語」がもっとも悪
文章を書く上で、1番大切なことは「大事なことを書くこと」よりも、「いらない語を書かないこと」です。読んでもらえなくなってしまいますから。
わたしの過去の記事を読み返して「これはいらなかったな」と反省した言い回しや言葉を5つご紹介します。
今後は意識して減らしていきたい「いらない語」を5つご紹介します。
1. ~と思う
そんな「いらない語」がどうして現れてしまうのか? たとえば次の文章を見てください。
「寿司に醤油をつけすぎてはいけないと思う」
なぜ素直に
「寿司に醤油をつけすぎてはいけない」
と書けないのでしょうか?
それはほとんどの場合、書き手の自信のなさの現れです。そして自信のなさを補うために、あるいは文章を取りつくろうために、あの手この手で「いらない語」を足していきます。
だいたい、すべての文章がライター自身の「思う」ことなのだから、仰々しく「だと思う」なんて書き足す必要もないのです。
2. 〜という
ついつい書いてしまう語です。わたしだけでしょうか? 「絶対に悪」である、とまでは言わないまでも、避けられる場合は避けた方がいいでしょう。
「インドネシアという国を知っていますか?」
これは
「インドネシアを知っていますか?」とストレートに聞くか、もう少し具体的に「インドネシアの食文化を知っていますか?」と書いた方が親切です。「という」という言葉の中に(笑うところですヨ)、不要な曖昧さを含ませているんですね。
「という」の進化形には、「というような」や「といったような」がありますね。
さらに曖昧さを足しているのです。
文脈や文章の調子によっては、“悪” ではないでしょうが、口癖のように出てくるとしたら問題です。
3. 主語
日本語の特徴には「漢字と平仮名が混じること」や「敬語」などがありますが、忘れがちなのが「主語を省略してもいい」という特徴です。
英語では主語を省略することができませんが、日本語では日常的に省略しています。
「座ってもいいですか?」
英語なら May I sit here? と、必ず I が入りますが、日本語で「わたしは座ってもいいですか?」なんて言いませんね。
主語がないと、文章が “間” を持つようになります。ひとつの文章だけでは判断できず、文脈から理解しなければいけないんですね。そこが日本語のおもしろいところで、上手に使いたいところです。
小説でも過剰に主語を入れてしまう人がいます。
彼は階段をのぼった。彼はひどく足が重かった。
「彼は」「彼は」とうるさいですね。これは、下のように書けばいいですね。
彼は階段をのぼった。ひどく足が重かった。
わたしは《原稿用紙1枚の物語》で400字前後の小説を書いていますが、作品によっては、全体を通して、主人公を表す主語(=“わたし” など)が1度しか出てこないものもあります。
減らそうと思えば、ずいぶん減らせるものです。
4. 接続詞
接続詞とは「だから」「しかし」「しかも」などです。
文章の論理構造を伝える重要な語ですが、構造が明らかな文章であれば、省略してもいいのです。
「もう満腹だ。だからデザートはいらない」
の「だから」はなくてもいいですね。
「もう満腹だ。デザートはいらない」
と。文章という文章が接続詞で結ばれている文章は、なんだか堅苦しく、「絶対に読み間違いは許さないぞ」と、著者に脅されているような気になります。
5. 〜など
ついつい「など」をつけてしまうクセがあるのはわたしだけでしょうか?
下記の文章はわたしがこのブログで書いたものですが、この「など」も不要でしたね。
縦書きで読まれるものは、縦書きで書くことで、字面の印象などを確認することができる。
字面の印象「など」と書くくらいなら、
字面の印象を確認することができる。
と言い切るか、
字面の印象や仕上がりのイメージを確認することができる。
と「など」の中身をすべて書いてあげるべきです。
「など」を使っていいのは、下の例のように、その場で書き切れないくらいの種類があるときだけでいいのです。
川端康成や三島由紀夫など、昭和の作家は~~
自分の文章を見直してみてください
文章というのはなにも考えずに書いていても成長しません。
つねに、この言葉はいるか? この文章は本当に必要なのか? と自問し、よりよい言葉選びを意識し続けることで、成長していくのです。
みなさんもぜひ自分の文章を第三者の目で見直してみてください。