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さて、ここまでEvernoteとScappleという2つのソフトウェアを紹介してきた。どちらも情報を集め、整理し、発想を広げるという目的で利用し、決して執筆用の道具ではない。そして、ようやく今日執筆の道具として使う2つのアプリケーションを紹介する。

  • iText Pro - 縦書き対応のテキストエディタであり、別名の無料版であるが縦書きで特定のフォーマットで書いている時に禁則処理がうまくいかず、iText Proに切り替えた。こちらはそういった意味では完璧に機能している。
  • Scrivener - こちらは英語圏では非常に有名な原稿オーガナイザー――という呼び方が的確かはわからないが、テキストエディタという言い方は不公平だと思う。はるかに多くの機能を持ち、執筆に関わるすべてのステージに対応しようとしてくれている。

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iText Pro

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カテゴリ: 仕事効率化
価格: ¥1,400

私の場合、小説を書く時は絶対に縦書きからは離れられない。縦書き、しかも原稿用紙の枚数を意識できるレイアウトでない限り、効率よく、気持ちよく、執筆に取り組めない。小説を書き始めた時、原稿用紙に手書きしていたのが癖になっているのかもしれないし、そうでなくても長さを原稿用紙の枚数で数える文化である小説の世界でそれを意識しないことは許されない気がする。

というわけで私が執筆に使う道具に絶対的に求める機能は2つ。

  1. 縦書き対応
  2. 柔軟なレイアウト設定

レイアウトは基本的に2つを気分で使い分けている。

  • 2段組・各段が20文字×40行 - これは紙1枚あたり原稿用紙換算でちょうど4枚になる。よく、原稿執筆を狙ったアプリで原稿用紙レイアウトでの執筆を売りにしているものがあるが(iText Proしかり)、パソコンで20文字×20文字のレイアウトで書くのは一覧性が悪いように思う。目が悪くなければこの形がお勧めだ。
  • 1段組・39文字×38行 - これは文庫本の形式に近い形式(だと思う)。ある日、手元の文庫本を見ながら近いレイアウトを作ってみたのだが、これが執筆をするうえで気持ちよかったのだ。普段見る原稿は文庫本形式が多いわけで、その形で書くのは書き心地が良かった。

これらの使い分けは完全に気分。最近は後者の文庫本形式がお気に入りだ。

iText Proへの要望がある。些細なことのように見えるが以下の機能が欲しいのだ。

  • 全画面化 - 最近のMac OSXアプリでは全画面化が進められている。集中して執筆するうえで非常に重要な機能だと思う。ぜひお願いしたい。
  • テンプレートの切り替えを容易にできるよう - 先ほど書いたように、書いている最中にレイアウトを変更することがある。文庫本レイアウトで書いていて、枚数を数えたくて原稿用紙モードにしたり、その逆もある。これが現在、手間なのだ。

Scrivener

Scrivener App
カテゴリ: 仕事効率化
価格: ¥5,400

次にこちらは何とも説明しがたいアプリなのだ。できたらまず他のサイトでScrivenerについて勉強してから読んで欲しいくらいなのだが、あまりにも投げやりなので、少しScrivenerの説明を書こう。

こいつは資料の管理、章や節の管理、アウトライン管理、執筆後の各種レイアウトへの出力などを一手にやってくれる統合執筆環境だ。たとえばアウトラインを作り、その各章を執筆し、最後に容易に前後を入れ替えたりすることができる。また各章の原稿が別のテキストファイルに別れる形となるため、大量の文章を毎回扱わなくて良いという意味でも、軽快に使えるソフトウェアだと思う。断言するが、もし私が英語圏のライターだったら、間違いなくScrivenerで書いていると思う。

欠点は致命的なのだが、縦書きができない。これだけの理由で執筆の中心にはなりえないのだが、それでもなおここで紹介しているのは工夫して使っているからなのだ。それがiText ProとScrivenerを同時に紹介している理由でもある。

Scrivenerは長い文章を章と節にわけて、ばらした章や節ごとに執筆するというスタイルになっている。だからScrivenerの標準的な使い方としては

  1. アウトラインを作る - つまり章や節を作る。これで物語の骨格ができあがるはずだ。
  2. 各章などを執筆する - 英語圏ならばScrivener上で書くことができる。エディタとしても出来は良いので、横書きで良い人ならば日本語でもお勧めだ。
  3. 各章を全部繋げて出力する - ePub形式やテキスト、PDFなど多様な形式で出力することができるので、Scrivenerで構想~執筆~電子書籍作成まで一元管理できる。

問題は上の2だ。私は横書きではかけないので、どうするかというとScrivener標準のシンクロ機能を使う。Scrivenerは内部のコンテンツを特定のフォルダに書き出して、適宜同期を取ってくれる機能がある。たとえば次のような事ができる。

  1. Scrivenerで少し執筆
  2. 同期する
  3. あるフォルダに出力されたファイルを別のテキストエディタで編集
  4. Scrivenerで3の変更を取り込む

この3の行程を私はiText Proでやっている。出力すると章ごとに別のファイルとして書き出されるので、書きたい章を見つけて開いて書けばいい。また、出力先をDropboxの対象フォルダにしておけば、iPhoneから編集することも当然可能だ。私の場合、iPhone(実際に持っているのはiPod)からの編集はしないが、読みながら文章を校正するときはiPhoneからやる。縦書きで読めて編集できるアプリがあるのだ(また別の機会に)。

まとめ

さて、このScrivenerとiText Proは必ず両方を使っているかというとそうではない。Scrivenerを使うのはあくまで長編の時だけ。短編・長編での手順の違いをまとめて締めくくろう。

短編

  1. Evernoteでプロットまで作成。場合によってはScappleだけで完結してしまうこともある。
  2. iText Proで執筆。

長編

  1. Evernoteであらすじくらいまで作る。
  2. Scrivenerでプロット・アウトラインにまで落とし込む
  3. iText Proで章ごとに執筆
  4. Scrivenerで全部繋げて出力

このScrivenerは好きだから使っているという感じだ。なかったらEvernoteですべてやるだろうが、長編の原稿ファイルを1つで管理するのはあまり好きではないので、自分でファイルを分けることになるだろう。その管理をやってくれているのがScrivenerという認識だ。

Scrivenerはテキストファイル以外ならば外部エディタを使うことができる。なんとも皮肉な話である。私はテキストファイルこそ、外部エディタを使いたいのに、だ。というわけでダメ元で開発元へ要望を投げてみた。まァ、すぐには無理だろうが、「文句や不満だけブログに書く」ような人にはなりたくないので、ちゃんとできることは行動に移そうというわけだ。

2013/11/03追記
開発元へ要望を投げたところ、こんな返事が返ってきた。

It's not really possible to allow users to edit files externally because it will lead to a lot of problems in Scrivener. However, Apple added vertical editing to the OS X text system a little while ago, and it's long been on my to-do list to implement it - it's fairly complicated as I need to fully update the page view to work with it, but I do really want to get this into a future version so to accommodate Japanese and other users.
http://www.literatureandlatte.com/forum/viewtopic.php?f=4&t=24868&p=163630&hilit=vertical#p163630

大意
テキストについては外部エディタを使うことを許した場合、Scrivener側で問題が多く、難しい。なんにせよ、AppleがOSXで縦書き対応したテキストシステムを作ってくれているからScrivenerも対応したいと思っているんだ。これは長いことToDoリストに入っているよ。ちょっとばかし複雑で、実装するには全部直さなきゃいけないんだ。将来のいつかのバージョンではぜひこれを実装して、日本人を含めた多くの人に使って欲しいんだ。

というわけで、外部エディタは使えないが、縦書きに対応するということ。期待して待つことにする。ちなみに、別の担当者からは代案として Folder Sync を使おうという提案があった。それがまさに私がやっていることだ。

追記:2015年4月7日

最近はiText Proではなく、Hagoromoというアプリを使っています。いい感じなので、お試しあれ。

旅する作家の道具箱 第6回 期待のHagoormoエディタ

お試しのつもりがいつの間にか1年以上使っていたHagoromoエディタのご紹介

小説に限らず、何かを作る前には悶々と構想を練り、詳細を練り、と想像力を膨らませたりしなければならない場面が必ずある。そういう時に以前の私はノートを広げ、落書きするように思いついたことをノートに書き込んでいくことで発想を広げていった。大事なことは形式にこだわらず、ただ自由に書けること。
それを非常に自由にやらせてくれるのが
Scapple だと思う。

wpid-PastedGraphic-2013-10-26-19-30.png

1.Scapple とはなにか?

Scapple というのは本当に落書き帳だと思う。もう少し専門的な(?)用語だとマインドマップを書くためのツールに近いが、それも違う。やはり落書き帳だ。
雰囲気だけ見てもらうために、サンプルを作った。

wpid-ScappleExample-2013-10-26-19-30.png

こんな風に書いた文字を線でつないだりできる。が、右下の文字のように線でつながなくてもいい。とにかくルールはない。色を付けたり、文字の周りを四角で括ったりもできるが、それも必須じゃない。

いわゆるマインドマップツールも使ったことがあるが、自分向きじゃないと思った最大の理由は1つの枠の中に長文をかけないこと。上の例でも分かるように、数行にわたるメモがあると思うが、これをできることが Scapple の魅力だと思う。場合によってはこの1つのメモが数十行になることもある。

使うと分かるもう1つの強い魅力は書き込める範囲が非常に広いこと。ノートで言えば、A1~2くらいの書き込みスペースがあるのではないか?

2.どう使うか?

さて、実はどう使うかは先ほどのサンプルの通りだ。

wpid-1__@__ScappleExample-2013-10-26-19-301.png

プロットやあらすじを作る手前(または作っている途中)のステージで、まだストーリーがボンヤリしている場面で使うことが多い。

手順は自由だが、自分の平均的な始め方としては、まずボンヤリしているストーリーをだらだら書いてみる。で、そのストーリーで気付いた欠点や不足を回りに書いていく。たとえば上記例だと、まだ桃太郎の敵や一緒に戦う仲間がイメージできていないので、周りに敵や仲間について適当に書き足していく。で、脈絡もなく思いついたことを書いていくと、なんとなくストーリーが見えてくる。すっきりとまとまれば、Evernoteに移って、丁寧にプロットを作るし、まだ練りたいならこの場であらすじを書き、また練ればいい。

なにしろこの場で長文が書けるので、短編であればこの場であらすじ~プロットまで完成してしまうケースもある。それならそれで良い。

また、とにかく書ける面積が広いので、1つの小説につき1つの Scapple ファイルしか作らない。「人物構成用」「舞台設定用」などファイルを分けることも可能かもしれないが、今のところ1つの中に詰め込む方が、全体が見渡せて、想像力を膨らませるのには有効だと思う。

余談だが、こういう想像力を膨らませるツールとして、昔は手書きのノート、その後は Evernote、今はこの Scapple を使っている。Evernote を使っていた時は箇条書きを駆使して書き込んでいたが、想像力・発想など曖昧なものを広げていく時は Scapple の方が圧倒的に良いと思う。ただし執筆に入る前やアイディアがまとまった時は、箇条書きに直しておくとあとで読みやすかったりもする。

というわけで「Scapple で広げ」「Evernote で整理」する、というのが1つの手法として有効だと思っている。また、整理については今後の連載で触れる予定の Scrivener も有効だ。

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旅を始める前から、会社員として働いていた時もメモなどはすべてEvernoteだった。だから小説についてもEvernoteを使うことはほとんど必然だった。

wpid-PastedGraphic-2013-10-23-17-30.png

Evernoteとは何か? というのは今更説明の必要はないかもしれないが、簡単に書けば「パソコンやスマホなどで同期が取れるメモアプリ」と思えばいい。
Evernoteは執筆のすべてのステージで使っている。

  1. 執筆前の気ままなメモ
  2. 構想を練る時
  3. 執筆中のメモ
  4. 執筆後の推敲

保存のルール

まず、保存する際のルールだけを紹介しよう。

○資料……Webサイト、雑誌、本、など外部から入ってくる情報

ノートブック:Novel Scrapbook
タグ:clip, novel, (web, email, magazine, bookのいづれか), idea

○メモ……自発的に思いついたメモ

ノートブック:Novel Note
タグ:novel, note, idea

また特定の作品に依存する資料やメモはすべて、作品名をつけたノートブックに保存する。

使い方

ここまでのルールを守ってノートを貯めていくと、いざ小説を書こうと思った時に、Evernote全体で「tag:novel tag:idea」と検索すれば、過去の自分が興味を持った資料や、思いついたネタが一覧で出てくる。その中からピンとくるものを探せばいい。

また、いざ執筆を始めたら、すぐに作品名のノートブックを作り、そこに関連資料を全部放り込む。特に旅をしているとネットで見たものや過去に貯めた資料が大半になるので、とにかくクリップしていく。そうすればネットが繋がらない時でも、資料にアクセスすることができる。

また執筆開始後はタグの使い方が少し細かくなる。すべてのノートが次の三つのどれか(極めてまれに複数)のタグを持つ

  1. document - 作品に直接関係する資料(プロット、人物ノート、舞台ノート、など。基本的には自分で作成したもの)
  2. research - 調査資料。たとえば舞台となるエリアの写真など。
  3. note - メモ。思いつきとか

Evernoteは検索の保存ができるので、それぞれのタグを含む検索を保存しておき「設定・プロット」「調査資料」「メモ」という名前ですべて保存しておく。そうすると、執筆中はこの3つの検索を行き来することになる。

まとめ

Evernoteの使い道は以下の3通りと言える。

  • 資料のクリッピング
  • メモ帳
  • プロットや人物設定などの作成資料

オンライン時に同期さえしておけば、オフライン時にもすべての資料へアクセスできる。また常日頃いろんな資料を放り込んでおくと、いざというときに役にたつ。自分が入れているような情報を適当に挙げてみよう。

またiPod touchにもすべてのノートをオフラインに保存しているため(そう、Premiumユーザなのだ)、執筆時に、常時みたいものはiPodで開きっぱなしで隣に置いておいたりもする。そうするとパソコン上で画面を行き来せずに便利なのだ。

というわけでEvernoteは紙のノートの代わりであり、スクラップブックの代わりであり、設定などを書いておく作品ノートの代わりである。

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旅をしながら小説を書くというのはそれなりに大変のことが多い。まず気に入った道具を持ち歩けない。小説書くのにどんな道具がいる? と思う人もいるかもしれないが、構想を練ったり、頭を整理するのにノートとペンや万年筆がいる。執筆の際にはパソコンと辞書が最低限必要だ(手書きが好きだけど、やっぱりパソコンが現実的)。そして小説を書くというのは思ったよりも資料が必要なもので、いざ書き始めると机の上、横が資料の山になることもある。

と書くと、結局必要なものはノート・ペン・パソコン・辞書・資料、とやっぱりたいした道具は必要ないと思われるかもしれない。ところが神経を使う作業だけに細かい小道具の使用感の良さが作業の効率性しかり、創造性を高めてくれると思うのだ。なんとかは筆を選ばず、とは言うが、実際には気に入った筆の方が気持ちよく創作できたはずだ。

ところが旅をしながら、という条件がつくと、いろんなものを持ち歩けない。辞書は無理。ノートは持ってるけど、いつもテーブルがあるとも限らず、かえって邪魔。資料なんて持ち歩けないどころか、旅先じゃ買うこともできない。

というわけで、目指すところはパソコン1つで書けるようにすること、に尽きる。

同じような境遇に身を置く人が多いのかは分からないが、今の時代ブログなど小説以外の文章を書きながら旅をする人もいるだろうから、私なりのノウハウを共有することも意味があるだろうと思う。これから数回の投稿でどういうソフトウェアをどういう形で使っているのかを説明したいと思う。

その第一回として、今回はともかく執筆時に使うアプリを一覧にして詳細は次回以降に回そう。

  • パソコン(Mac OSX - Macbook Air)
    • Evernote
    • Scapple
    • Scrivener
    • iText Pro
    • ATOK
  • iPod Touch(iPhoneと同等だと思っていい)
    • 大辞林
    • 角川類語新辞典
    • iText Pad
    • ATOK Pad

どれも有名なものばかりなので、気になる人は調べてみるとすぐに使い方も分かるだろう。私の連載ではマニュアル的な意味での使い方は紹介せず、私がどのように活用しているか、という視点で紹介する。

<旅する作家の道具箱>連載の予定は……

第2回 Evernoteで資料から構想まで
第3回 Scappleで構想を練る
第4回 ScrivenerとiText Pro(短編と長編での執筆手順の違い)
第5回 執筆の小道具ATOKを極める
第6回 iPhone/iPod Touchは良い補助道具

という感じで進めていく予定だ。内容、タイトル、順序など、書きながら変わっていくかもしれないが、許して欲しい。また「私はこう使っている」という情報があったら教えてくれると他の人のためにもなるかもしれない。

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自分が小説を書く上でどうしても避けられないというか、無視できない時代というのが「昭和」だ。昭和を舞台にしているわけではないし、特別昭和を売、今の時代――特に今の大人を描く上で昭和の時代感ってのは凄く重要だと思う。

何しろその大人が過ごしてきた幼少期は昭和だし、その親だって昭和の大人だ。平成の前は昭和であって、昭和からの変化こそが平成を平成たらしめるわけだ。平成を舞台にしていても、昭和から逃げることはできない。

というわけで、常日頃「昭和」というキーワードに対しては敏感でありたいと思ってはいるのだけれど、外国を旅をしているとそもそも昭和どころか、日本の感覚からも遠ざかる。また、そもそも昭和について体系的に勉強したことがなかったな、と思い知るに至り、この本を読んだ。

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昭和史 1926-1945
平凡社

この本は全体的に口語体で書かれており、存分に著者の主義主張を交えながら書いているのだが、それがかえってわかりやすさを生んでいる。ともかく面白く書かれているので、これを読んでから、他の本を読んでみると読みやすいだろうと思う。

圧倒的に政治・軍事といった面から書かれており、そのときの庶民生活などは読み取りにくい。遙か上空から大局的に捉えたような書き方になっている。私の場合は小説を書くうえでの勉強ごとだと思っているので、この大局的な捉え方と地に足据えた庶民感覚の両方を知りたいと思うに至った。

この庶民感覚が感じ取れる資料を探さないと。

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タイのバンコクから1時間半ほど北上した場所へバイクでやってきた。知人のご家族の家がここにあり、そこにお世話になるためだ。ここ数日滞在していたカオサン通りに比べればはるかに静かで快適な場所で、外出したくなくなるほど居心地が良い。

さて、なぜ自分は電子書籍を出版したのか。バイクで走りながら、改めて考えてみた。3つ理由があるので、挙げながら説明してみよう。

客観的な意見を聞いてみたい

私は新鷹会という小説の勉強会に所属し、会社員として働きながら、勉強会で修行している(もちろん旅に出てからは行けてない)。そこでは自分で書いた作品を現役の作家の方に批評してもらうことができる。

今回電子書籍を出してみたいという1つの動機はプロじゃない、普通の読者がどう思うのか、ということを知りたかったことにある。今回無料キャンペーンを実施して、多くの人が購入してくれたので、今後そういったフィードバックが返ってくるのを期待している。

名刺代わりになる作品を公開したい

周りに「自分は小説を書いている」と言ったところで、一般の人が買える範囲に小説が売られていないと説得力がない。今回の出版を期に「ここで買えるよ」と伝えられるのが嬉しい。曲がりなりにも「私は作家です」と自己紹介できるようになるというメリットもある(半分冗談で半分本気だ)。

電子書籍を試してみたい

さて、実はある作家と「電子書籍の可能性」について話をしたことがある。多様な意見が飛び交う中、私にせよ、相手の方にせよ「可能性を感じるから活用してみたい」という意見は一致していた。しかし可能性の話ばかりで、なかなか地に足のついたアイディアや核心が掴めないのはひとえに試したことがないからだと思う。

そこで今回試してみたことを将来何かに活かせるのではないか、と期待している。

漫画を電子書籍で売るためのノウハウなどは割と見かけるのだが、小説となると意外と情報が少ない。せっかくだから、今後の自作の売れ行きや活動をこのブログで紹介したいと思う。

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旅をしていると刺激が多い。その刺激はもちろん執筆活動に対しての刺激でもある。だから、書くことに事欠かないとも言える。

ところが書くための環境というのはなかなか難しい。何日も没頭して、誰の邪魔も入らない場所で静かに取り組める環境なんてまずない。最近はバンコクにいるのだが、ホテル1階の飲食スペース(ロビーのような場所)で書いている。周りはツアー客でごった返し、時にはパーティーのように大騒ぎの中書かなくてはいけない。

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最初、こういう環境で書くことに慣れなかった。ところがこうして長くそういう環境にいると、騒がしい中、または細切れの時間の中で書くことに慣れてくる。

これに慣れてきた時、旅する作家として活動することに対して確信を抱いたように思う。

著書「父の筆跡・秋明菊の花びら、ほか」もどうぞ

このたび、Amazon Kindleストアより、自著「父の筆跡・秋明菊の花びら、ほか」を発売始めました。

家族を舞台にした4編の短編小説です。過去書いたもの、割と最近のものと混ざってはいますが、どれも簡潔で読みやすい物語になるよう気をつけています。普段小説を読み慣れない人でも読みやすいのではないでしょうか?

通常価格99円としていますが、10月14日17時までは無料キャンペーンとしています。どうぞこの機会にダウンロードして頂ければと思います。


内容紹介

家族関係をテーマにした4編の短編小説集。父が残した万年筆を元に、父の痕跡を探す息子の物語を描いた掲題作「父の筆跡」。自分の夢と現実の間に挟まれ、妻に嘘をつく夫と、嘘につきあわされる息子の葛藤を描いた「ピエロだった」。突然祖父が立ち上がり、狂ったように語り始める戦争と家族の物語「一通の手紙」。仕事の第一線にいることと家族の軸となることを誇りとする夫が、視力と共に両方を失うという不幸にどう向き合うのかを描いた「秋明菊の花びら」。