HagoromoというMac用に作られたエディタを小説の執筆に使っています。そのHagoromoがバージョンアップして、ブックマーク機能がつきました。これが長編執筆にすごく役に立つのでご紹介します。
Tag: MacOSX
象がいつまでも若くいられるように! Evernoteでいらないクリップを増やさないふたつの工夫
Evernoteは “外部の脳”と呼ばれるくらい、情報をため込むということに長けたサービスです。しかし溜めることが楽しくなってしまって、何も考えず「ただ溜める」ということを続けていると、ムダなノートが増え、Evernoteが巨大で鈍い年老いた像になってしまいます。何に気をつけていれば、像はいつまでも若くいられるのでしょうか?
GoogleアラートはFeedlyとセットにして初めて使おうという気になる
なんか最近は活用されているとは思いにくいGoogleアラートですが、Feedlyに登録しておくと結構便利。使い道が広がるのでオススメです。
GTDをやる人にお勧め これ見てすぐに始めよう Doit.imのよいところ10個
最近、タスク管理をRemember the Milkから Doit.im に切り替えてみて、このツールに惚れ込みました。このアプリの良いところを10個にまとめてみました。
ちゃんとGTDを! 5年は使ったRemember the MilkからDoit.imに乗り換えた経緯
何年もタスク管理サービスとしてRemember the Milkを使ってきました。今でもいいサービスだと思います。しかし、ふとした疑問から、Doit.im に乗り換えることを決意しました。その経緯を書きます。
旅する作家の道具箱 第6回 期待のHagoormoエディタ
HagoromoというMacOSX用のエディタが現在進行形で開発されている。
今はまだβ版であり、本格利用は勧めないとのことだが、フライングして実は使い始めている。今まではiText Proというアプリを利用していたが、全画面ができないという、人からした随分と些細な理由でHagoromoに乗り換えた。
まだβ版で不具合が怖いとも思うのだが、今のところ大した問題は発生していない。
エディタに求めている機能は多くない。気持ちよく、滑らかに使えればいい。自動保存あたりはしっかりやってくれるとありがたい。検索などは高機能である必要もない。
——————————————————
Amazonで発売中
父の筆跡・秋明菊の花びら、ほか
旅する作家の道具箱 第5回 入力の効率化ATOKを使おう
日本語を使う以上、手書きで言う筆を選ぶという行為に近いのがIME、つまり漢字変換ソフトを選ぶという行為だ。何しろ漢字変換に時間がかかれば、執筆に時間がかかる。漢字変換に頭を使えば、大事な作品に頭が使えなくなる。
まァ、多少大袈裟に書いてはいるけれど、それくらいIMEは重要だと思う。で、現時点でのMacOSXでの選択肢は……
- ことえり - MacOSXに標準でついているIME。Windowsの標準IMEほどダメではないと思うが、やっぱり不足を感じる。
- Google日本語入力 - これは業界的には新参者のIMEだ。名前の通り、Googleが開発しているわけで、これはつまりGoogleが知る限りのWebサイトや検索ワード情報を使い、また培ってきた文章解析技術を元に漢字変換の世界に参入してきたわけだ。漢字変換能力もことえりより随分よく感じるし、いくつか他のIMEでは見かけない機能も盛り込まれている(例:zkと入力すると、上矢印になる、など)。これが実は非常に使い勝手が良く、実は私はずっとこれを使っていた。物書きじゃなければ、または物書きでも、十分に使えるレベルだと思う。
- ATOK - 言わずと知れたIMEに力を注いでいる会社のIME。漢字変換の能力は非常に高く。長く文章をタイプして、一気に変換をすると、文法なども加味して、非常に的確に変換してくれる。有名な「貴社の記者が汽車で帰社する」も一発だ。
というわけで、結論として私は少し前までGoogle日本語入力を使っていて、今はATOKを使っている。わざわざ大金を払ってATOKに移行した理由を語ってみよう。
漢字変換能力の高さ
これはまずすぐに実感できた。もちろん使い始めはユーザ辞書が貧弱で「慣れたIMEの方がいいな」と思いがちだが、少し使っているとIMEが学習し、みるみる自分の入力についてきてくれる気がする。
辞書機能
実はこれが超目玉機能だと思っている。そして「旅する作家」という立場で考えた時、圧倒的な魅力なのだ。この連載の第1回でも書いたが、作家の道具の中で持ち歩けない、旅で困るのが辞書だ。本来であれば、会社別の複数の辞書に加え、国語辞典以外にも類語辞典などが欲しいが、どうもパソコンで使いやすい辞書がない。
仕方なしに最初はiPod touchに大辞林と角川類語新辞典をインストールして、iPodを辞書端末として使っていたが、軽快にタイプしているときに両手をキーボードから離してiPodを触るという行為がいかにも煩わしかった(でも辞書をインストールしたことは後悔してない)。
このATOKは追加購入が必要だが大辞林や広辞苑、または類語辞典といった辞書を買うことで、漢字変換の最中に意味を調べることができるのだ。
サンプル画面を用意してみた。このように、「たとえば」と入力し、変換を確定する前にコントロールキー+wと打つと、大辞林の結果が表示される。
同様にコントロール+aで類語辞典(これも別売)が表示されるので、他の言葉を探している場合などにテキストエディタから離れることなく類語を探し、その類語に対する大辞林の結果を見ることができる。
間違った日本語の指摘機能
これは「このために欲しい」というほどのものではないけれど、補助的にあると安心感があるかもしれない。
ATOKは間違った日本語や、好ましくない日本語を指摘しくれる。たとえば”の”が続くような文章「この車の中のシートの上に鞄がある」といった文章をタイプすると、「”の”の連続」と注意してくれる。これくらいの文章はIMEに注意されなくても、きれいに書きたいものだが、つい見落としてしまった時などにありがたい補助だ。または敬語・ら抜き言葉なども注意してくれるので、急いでいて漏らしてしまった、なんてときに助けてくれる。
使いこなすために意識するたった1つのこと
さて、ここまでATOKの魅力について書いたが、文章を書く上での使いこなしについて触れたい。ほとんどはATOKに限らない内容だが、文章入力・漢字変換という煩わしい行為を少しでも滑らかにこなすために、自分が意識していることだ。
それは「ホームポジションから離れないこと」に尽きる。
マウスを使わないのは当然だが、それ以外にもホームポジションから遠いアクションは極力使わない。遠いポジションとは何か、と言うとdeleteキーと矢印キーだ。この2つを使わないようにすると、タイピングは随分と早くなる。これはプログラマーとして鍛えたことなので、信じてくれて良いと思う。
もう少し具体的に書くと、次の操作を極めるといい。
- Ctrl + f - 1文字進む
- Ctrl + b - 1文字戻る
- Ctrl + p - 前の行へ
- Ctrl + n - 次の行へ
さらに次の操作を覚えると早くなる
- Ctrl + a - 行頭へ
- Ctrl + e - 行末へ
- Ctrl + k - カーソルより後ろを削除して、特殊なクリップボードへ保存
- Ctrl + y - ”Ctrl + k”でクリップした文字を貼り付け
- Ctrl + h - deleteキーと同等
また漢字変換については概ね以下を覚えれば良い
- space - 次の候補へ
- shift + space - 前の候補へ
- option + space - 候補を次のページへ
- option + shift + space - 候補を前のページへ
ちなみに、ここに挙げていないショートカットキーでも重要なものがたくさんあるので、時々気分転換にネットで調べてみたり、ヘルプを見てみると良いだろう。
まとめ
大雑把に言えば
- ATOKを使おう
- ATOKのオプション辞書も使おう
- ショートカットキーも使おう
ということだ。実はATOKは結構高価なのだが、その価値はあると思う。特に辞書については紙で買っても高いわけで、「旅する作家」というカテゴリに近い人はATOK辞書に賭けてみるのも、いいのではないだろうか?
——————————————————
Amazonで発売中
父の筆跡・秋明菊の花びら、ほか
旅する作家の道具箱 第2回 資料はとメモはEvernoteから
旅を始める前から、会社員として働いていた時もメモなどはすべてEvernoteだった。だから小説についてもEvernoteを使うことはほとんど必然だった。
Evernoteとは何か? というのは今更説明の必要はないかもしれないが、簡単に書けば「パソコンやスマホなどで同期が取れるメモアプリ」と思えばいい。
Evernoteは執筆のすべてのステージで使っている。
- 執筆前の気ままなメモ
- 構想を練る時
- 執筆中のメモ
- 執筆後の推敲
保存のルール
まず、保存する際のルールだけを紹介しよう。
○資料……Webサイト、雑誌、本、など外部から入ってくる情報
ノートブック:Novel Scrapbook
タグ:clip, novel, (web, email, magazine, bookのいづれか), idea
○メモ……自発的に思いついたメモ
ノートブック:Novel Note
タグ:novel, note, idea
また特定の作品に依存する資料やメモはすべて、作品名をつけたノートブックに保存する。
使い方
ここまでのルールを守ってノートを貯めていくと、いざ小説を書こうと思った時に、Evernote全体で「tag:novel tag:idea」と検索すれば、過去の自分が興味を持った資料や、思いついたネタが一覧で出てくる。その中からピンとくるものを探せばいい。
また、いざ執筆を始めたら、すぐに作品名のノートブックを作り、そこに関連資料を全部放り込む。特に旅をしているとネットで見たものや過去に貯めた資料が大半になるので、とにかくクリップしていく。そうすればネットが繋がらない時でも、資料にアクセスすることができる。
また執筆開始後はタグの使い方が少し細かくなる。すべてのノートが次の三つのどれか(極めてまれに複数)のタグを持つ
- document - 作品に直接関係する資料(プロット、人物ノート、舞台ノート、など。基本的には自分で作成したもの)
- research - 調査資料。たとえば舞台となるエリアの写真など。
- note - メモ。思いつきとか
Evernoteは検索の保存ができるので、それぞれのタグを含む検索を保存しておき「設定・プロット」「調査資料」「メモ」という名前ですべて保存しておく。そうすると、執筆中はこの3つの検索を行き来することになる。
まとめ
Evernoteの使い道は以下の3通りと言える。
- 資料のクリッピング
- メモ帳
- プロットや人物設定などの作成資料
オンライン時に同期さえしておけば、オフライン時にもすべての資料へアクセスできる。また常日頃いろんな資料を放り込んでおくと、いざというときに役にたつ。自分が入れているような情報を適当に挙げてみよう。
- 時代別の人気の名前リスト→例:http://garagaragara.com/ninpu/namae/name2.html
- 色の和名一覧(若草色、老竹色、など和名が分かる)→例:http://www.colordic.org/w/
- 動植物情報
- 花言葉、など
またiPod touchにもすべてのノートをオフラインに保存しているため(そう、Premiumユーザなのだ)、執筆時に、常時みたいものはiPodで開きっぱなしで隣に置いておいたりもする。そうするとパソコン上で画面を行き来せずに便利なのだ。
というわけでEvernoteは紙のノートの代わりであり、スクラップブックの代わりであり、設定などを書いておく作品ノートの代わりである。
——————————————————
Amazonで発売中
父の筆跡・秋明菊の花びら、ほか